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8 ラフコフとの因縁
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「よう久しぶりだな。ソラ」
「できることなら会いたくなかったけどな。POH」
そういうと、
「ははっ、つれないこというなよ。元仲間だろう?」
「・・・っ!!」
黙ってしまった俺にPOHは笑って、
「裏切り者の処分は今相談中だ。本来なら殺すところだが、お前は殺すのが惜しい。もう一度戻ってくるのなら、その子も命は残しておいてやる。またくるから考えておけ」
そう一方的に言い放つとあいつは部屋から出て行った。もちろん鍵は閉めて、だ。
それまで動かない、しゃべりもしなかったナツが聞いてきた。
「あ、あの話本当なの?」
「・・・ああ。事実だ」
俺は当初ラフコフの情報収集担当だった。
「始めてナツとあった日、ちょっとPOHと言い争いになってな、こんな所いられるかってアジトを飛び出したんだ」
俺は、なんとかばれないように、あちこちをうろついたり逃げ回ったりしていた。
脱走してから1年半たち、向こうも覚えていないだろうという考えが甘かった。
こうして捕まってしまったのだから。
「黙っててごめん」
巻き込んでしまった情けなさ、怖くてラフコフ殲滅のときに後方支援しかしなかったふがいなさや、
甘えていた自分への怒りなどさまざまな思いがない交ぜになった謝りをナツはどう聞いただろう。
どう聞こえたのだろう。
「なんで・・・今回ラフコフを探してたの?」
「・・・どこそ・・・」
「え?」
「今度こそ因縁を断ち切るために」
そして、過去を清算するために。
弱かった自分を殺すために。
そのために、探していたんだ。
「・・・大丈夫。何があってもお前は無事に帰すから」
少し恥ずかしいけど、そう俺は決意を告げた。



それから十分後、POHは再び部屋へと現れた。
「ソラ。決まったか?」
「ああ」
そして俺はニヤリと笑って
「誰が戻るかよバーカ」
と挑発した。
「ほう、状況が分かってないみたいだな」
POHはそういうと、俺に向かって剣を投げつけた。
「「スイッチ!!」」
俺はナツと場所を入れ替え、そしてナツが剣を弾く。
キンッと金属音が鳴り響き、POHとナツが戦闘し始める。
その隙に俺はスキルと剣を取り出し、再びナツと入れ替わり今度は俺がPOHと戦闘を始める。
足に一撃を食らわせると、POHはがくっと膝を床についた。
「これ、は・・・」
「即効性の毒だよ。お前らに渡していた毒は誰が作ってたと思ってるんだ?」
「きさまっ!!」
「じゃあね。ナツ!いくぞ!」
「了解」
俺たちは館内を走り、出口を探す。しかし・・・
「どこだっ!」
ドアがまったく見つからない。
「ナツ!転移結晶を使え!」
ナツがポーチから転移結晶を取り出した瞬間。
それは何者かによって吹き飛ばされた。
「お、お前は・・・」

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