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オズのカエルマン
第二幕その十二

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「何でもあるかっていうと違うから」
「そういうことね」
「それが歴史を大きく動かしたからね」
「香辛料も凄いのね」
「かなりね」
「だからこれだけ美味しいのね」
 ナターシャもそのシャラスコを食べています。
「香辛料を使っているから」
「それもオズの国の香辛料は」
 それこそと言うドロシーでした。
「外の国のものとはね」
「また違いますね」
「そう、格別に美味しいわ」
 そうだというのです。
「お肉もそうだけれどね」
「それでここまでの味なんですね」
「そうなのよ」
「調味料もいいですし」
「ナターシャも笑顔になるわね」
「はい」
 微笑んで答えたナターシャでした、実際に。
「そうなっていますよね、私」
「いい笑顔よ」
 ドロシーもこう答えます。
「それだけ美味しくて楽しんでるってことね」
「そうなりますね」
「ロシアの寒さもね」
「美味しいものの前には」
「溶けるのね」
 こう言うのでした。
「やっぱり」
「そうですね、幾ら寒くても」
「美味しいものには負けるわ」
「そう、美味しいものを食べることは幸せで」
 ここでカエルマンが言うことはといいますと。
「その幸せはどんな寒さもね」
「溶かすんですね」
「そういうものだよ」
 こうナターシャにお話するのでした。
「だからね」
「はい、それじゃあ」
「心ゆくまで楽しんで笑顔になってね」
「そうさせてもらいます」
「暖かい幸せこそがこの世の一番の宝」
 カエルマンはにこにことしてお話するのでした。
「僕も村から旅をしていってわかったよ」
「そうですね、ものを知ることが一番じゃなくて」
 ケーキもカエルマンに応えます。
「幸せこそがですね」
「一番の宝だよ」
 カエルマンは満面の笑顔で言うのでした、そうして今はお料理を楽しむのでした。
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