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【銀桜】0.七夕篇
「七夕の夜はいつもより星が輝いてみえる」
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[9] 最初
ううん、ここにいても寒い時だってある。
――ひとりで遊んでてもつまらない。
――でもみんなと遊ぶととっても……何て言うんだろう。
――『楽しい』って言うのかな。
――楽しいから心があったかくなるのかな。
――うーん、ちょっとちがう。
――なんであったかくなるんだろう。



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――……そっか。
――笑ってるから楽しいんだ。
――みんな笑顔だから心があったかくなるんだ。

* * *

 どこまでも続く光輝く天の川が広がる夏の夜空。
 はしゃぐ子供たちの声で溢れる寺子屋の庭。
 たくさんの葉に次々と短冊が飾られ、笹は色とりどり派手になっていく。
 その様子を眺める松陽はふと後ろを振り向く。
 そこには銀髪の少女が短冊を大事そうに抱いて立っていた。
「おや双葉。願い事、書いてきたんですね」
 いつもと変わらない暖かい笑み浮かべる松陽に
「はい、先生」
 双葉も満面の笑みを浮かべて頷いた。

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=おわり=

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