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真・恋姫無双〜中華に響く熱き歌
第4話 炎と雨
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ったのー。」
「・・・まだ話は終わってなかったんだが。」
「なに言っとるんや、兄さんの歌で1番盛り上がってたんは凪やろうが。部屋帰って来てから兄さんの歌のことばっか話とったし。凪に話させたら夜が明けてまう。」
「そうなのー。そもそも夜中にお兄さんのところに行こうって言い出したのも凪ちゃんだったし。」
「な、なにを言っている??言った後に明日にしようと言い直したではないか!」
「凪ちゃん、それじゃ自白してるようなもんなの。まあ、確かに悪ノリした真桜ちゃんと沙和が強引に行ったんだけど。」
「せやなー。まあ、なんだかんだで止めようとした凪も部屋に着く頃にはそわそわしとったけどなー。」
「そ、そわそわなんかしてない??」
とまあ、目の前で2人に弄られる楽進を見ていたが、おもむろにに立ち上がり、壁に立て掛けていたギターを持ち、弦を鳴らした。
弦の音が部屋に響き、3人がバサラの方を向く。
「あんたらはおれの歌について知りたいみたいだけどな」
そう言ってまた弦を鳴らし、
「なら、おれの歌を聞けば分かるぜ。」
ギターを弾き始める。
「いくぜ、MY SOUL FOR YOU??」
曲名を告げた後にギターの音が、バサラの歌声が響く。
だが、3人は驚いていた。
バサラが村の入口で歌っていた曲とは、歌の雰囲気が違っていた。
先程歌っていた歌は何曲かあるが、皆熱く、心を燃やすような歌であった。
例えるなら炎。これが当てはまるだろう。
だが、今歌っている歌は違う。
この歌は、その逆だ。
静かに、魂を落ちつけるような歌だ。
例えるなら雨。そんな歌だ。
先程あんな歌を歌っていた男が今こんな歌を歌うとは。
そんな思いとは別に、ただこの歌を、歌声を聴いていたい。そう思わせるバサラの歌に3人は聴き入っていた。
李典は
「ほわ〜、すごいわー」
と感心し、于禁は
「うわ〜、かっこいいの〜」
と褒め、そして楽進は
「・・・・・・すごい」
と瞳にバサラの姿をとらえながら呟いた。


3人が歌に聴き入り、感想を呟いた後、その少し後に歌もギターの演奏も終わる。
そして3人に満足そうな表情を向けて
「おれの歌、お前らのハートに響いたか?」
「「「ハート?」」」
「ハートはハートだよ。つまりは心に響いたかどうかだ!」
バサラの説明に頭を傾げつつも、言いたいことは分かった3人は
「ああ、兄さんの歌、ばんばん響いたで!」
「沙和の心にも響いたの〜。」
「私の心にも響きました。こんな歌と曲を聴いたのは初めてです。また聞かせてください。」
「へへ、そうかい。」
そっけなく言ったが、表情はどこか嬉しそうである。
そんなバサラに楽進が意を決したような表情で
「バサラ殿」
と呼びかけた。




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