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K's−戦姫に添う3人の戦士−
1期/ケイ編
K7 イチイの弓使い
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芯からの絶叫だった。

 クリスがこちらに走ってくる。ケイはとっさに響を庇う位置に立ち、アームドギアのレーザー砲を再出させる。

(この子本人を撃つわけにはいかない。響ちゃんがやっとの思いで説得しようとしてるんだ。動きだけ的確に止めるには)

 反転。ケイはプリズムレーザーを響の後ろの木々、特に幹と梢の分岐点を狙って横薙ぎに撃った。射線を横にしたことでレーザーがサーベル化し、木々を斜めに刈っていく。刈った木は断面を滑ってこちらに落ちてくる。

 次いでケイは空いた手で響を抱えて前、響にとっては後ろへ、ジャンプした。

「チィッ!」

 公園の木を利用した煙幕ならぬ園幕。これでクリスの特攻は一時だが停まるはず――だった。

「洒落臭ぇンだよ!! アーマー・パージ!!」
「はぁ!?」

 ネフシュタンの鎧が吹き飛び、細かい破片となって落ちる木々を吹き飛ばす。盾にもならなかった。
 余波でケイも響も後ろまで飛ばされ、破片のせいで無数の切り傷を負ってしまった。

「ケイさん!」
「ごめ…庇い、きれなかっ…」

 響だけは傷つけさせまいと体で隠したが、やはり無傷とはいかなかったらしい。

「わたしはいいよ! でも、ケイさんが怪我したら…未来は!」


              「 ――Killter Ichi-bal tron―― 」


 言い合っている場合ではなかった。

「この歌って…」
「まさか…」
「――見せてやる。“イチイバル”の力だ」

 土煙が晴れたそこに立っていたのは、蛇ではなく、赤いアゲハへと変貌を遂げた少女だった。

「――歌わせたな。あたしに歌を唄わせたな!」

 赤を基調としたギア装甲。バーニアや腰に装着した防具や、手足のタイツと相まって、響や翼より重量と女子らしさを感じさせるデザインだ。

「教えてやる! あたしは歌が大嫌いだッ!」

 クリスの台詞を吟味する間は与えられなかった。
 クリスの両腕の装甲がボウガンへと変形する。あれが彼女のアームドギア。


            傷ごと抉れば 忘れられるってことだろ? 


「ケイさん、走って!」

 響が叫んだ。

 言われずともケイはすでに響と反対方向へ走っていた。プリズムレーザーは響ほど俊敏さを助けてくれるギアではないのでアーム装甲に戻した。

 しかし、クリスの両手に握られた赤いボウガンは、逃げも許してはくれなかった。


           いい子ちゃんな正義なんて 壊してやろうか――! Haha! 


(な!? ボウガンがガトリングに化けたぁ!?)


              さーあッ! It‘s show time!!


 こ
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