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K's−戦姫に添う3人の戦士−
2期/ヨハン編
K7 歌乙女の祝祭
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 早朝の戦闘からそう間を置かず、調は切歌、ヨハンと一緒に、リディアン音楽院の学祭を訪れていた。
 今は生徒があちこちに開いた露店で絶賛食べ歩き中である。

 似合わないサングラスを着けたヨハンがたこ焼きの屋台に行き、一人分を買って、待つ調と切歌(彼女たちもダテ眼鏡装着)の下に戻った。

「はい。切歌。あーん」

 切歌は雛鳥のように口を大きく開け、たこ焼きにぱくつき、顔を幸せ色に染めた。

「楽しいデスなあ。何を食べてもおいしいデスよ」

 その中で調はむっつりした顔をしていた。

「調も。あーん」

 調は切歌より心持勢いをつけてたこ焼きにぱくついた。

「ヨハンは食べないデスか?」
「二人のおいしそうな顔でお腹一杯だから」
「ほんと?」
「ほんと。僕には調と切歌の幸せな顔がご馳走」

 切歌は分かりやすく照れている。でもきっと今、自分も赤面しているだろうと調は自覚していた。

 昔はヨハンの「これ」は恥ずかしくとも何ともなかった。マリアやナスターシャと出会ってようやく恥ずかしいものだと学習した。

「調。付いてる」

 止める暇もあらばこそ。節くれ立った指が調のほっぺからたこ焼きの食べかすを取り去る。指の食べかすをヨハンはごく自然に自身の口に入れた。

 調の体温は急上昇だ。

「ハイハイ、ゴチソウサマデス」
「き、きりちゃん」

 茶化されたとはいえ、切歌はおおむねヨハンとの関係を良く思っている。それでも恥ずかしいものは恥ずかしい。

「わたしたちの任務は、学祭を全力で楽しむことじゃないよ。きりちゃん。ヨハン」

 さすがにここまで色々と露店フードを食べて腹も膨れれば、頭のほうも冴えてきた。

「うん。ごめん。ここからは真面目に行こう。――まず僕たちの目的は、聖遺物のカケラから造られたペンダントを日本側の装者から強奪ないし窃盗することだ」
「……一気に犯罪臭」
「どうせ世界中からテロリスト扱いなんだ。そのくらいの罪状なんのその」

 ネフィリムのエサは有限だ。次に飢餓衝動で暴れた時に与える“食事”がなければ、自分たちでさえ扱いかねる代物なのだ。あの怪獣は。

「とはいえどうしたものかデス。ヨハン〜、何かいいアイデアないデスか?」
「うーん」
「――! きりちゃん。ヨハン。カモネギ」






 ヨハンは調が指さす方向を見て――血の気が引いた。
 廊下を歩くのは風鳴翼。天羽々斬の適合者で、敵対する装者中最強の少女だった。

 調は軽快に木の陰から走り出ようとした。

「(コラッ)」
「(おっと)」

 駆け出した調を戻すために切歌が出て、調を引いた勢いでバランスを崩した切歌をヨハンが受け止めた。
 両腕にいとけない少女が二人
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