暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜雷皇の狩人と双棍の闘士〜
B:黒い妖精
[1/3]

[8]前話 [1] 最後
第二層ボスーーーーアステリオス王討伐から数日。
俺達は第三層のある区画を歩いていた。
「なぁ、キリト……。此処で何が起こるんだ?霧も深いし……」
「そこまで霧深くないでしょ。と言うかリンドウさん煩いです」
俺はそう言うと、マップを開く。
しかし、本来歩いた地点はくっきり3D表示されるはずだが、その表示は霧のかかったように薄い。この<迷い霧の森>はそんなフィールドなのだ。
「おい、キリト。そのクエストとやらは何処だ」
ソーマが少しだけイライラしながら問う。
「あー、多分もう少しの筈なんだが……」
と、この世界のアルゴのデータを見る。その内容は、この層から始まる大型キャンペーンクエストのスタートデータだ。勿論、複数におけるスタート位置が指定されている。その一つを現在目指しているわけだ。
「それより……」
チラッとサラディン達を見る。
「お前ら何してるんだよ」
「見ての通りトレント狩りだが?」
代わりにネフィリムが答える。
「……何で?」
「トレントから希にレア食材が落ちると言うことだったから」
と、リュートが言う。自由人過ぎると言うのは良いが、たまには団体行動もしてほしい。
と、そこで。
「あれ?リンドウさんは?」
キョロキョロと辺りを見回し、リンドウさんを探す。しかし、姿が見えない。
「……逃げたか?」
「いや、少し黒い炎が見えるよ」
最近少しはツンデレが落ち着いたサラディンが言う。
「お、サンキュー」
「別に君のために見つけた訳じゃない」
前言撤回、まだ痛いかも知れない。
「……」
俺は密かにため息を付くと、耳に何か聞こえる。
「!」
「どうした?」
「音がした。南西の方!」
リヴェンジャーをネフィリムに渡すと、最大出力で南西に向かって走る。
「おい!」
「チッ……追うぞ!」
その後に、リンドウを置いて他の皆が俺を追い掛けてくる。
しかし、俺は脇目もそらさず、南西に向かって走った。

















石畳から外れても、ふかふかの苔に覆われた地面は、僅かに弾む感覚が気になる程度でさして走りにくい事はない。持ち前の身体能力を生かし、木々を左右に蹴り飛ばしながら音源目指して飛ぶ。mobに出くわすと多少なり時間が取られ、音源を見失う事も考えられるので、索敵スキルに反応があったカーソルは遠回りで回避。<生えてるトレント>だけはいかんともし難いが、幸い出くわすことは無かった。
五分足らず飛ぶ間に、問題の金属音はボリュームを増し、剣戟の間の叫び声さえ届き始める。視界中央に二つのNPCカーソルが浮かび、次いで木々の幹に反射するライトエフェクトが視認される。
地面に脚を突き刺すように着地した俺の後ろから、他の皆が一斉に現れた。
「ったく、相変わらず
[8]前話 [1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ