暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第二十二話 研究所
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「それでは、頼むぞ」

「まっかせてよ、クロノ!」

アースラ内の転移システムの前に五人の少年少女がいた。全達の事だ。

これから彼らは対象のある世界に転移される。その見送りにクロノがやってきた所である。

「ねぇ、全。手、大丈夫なの?」

「ん?ああ、問題はない。シンもきちんと持てるしな」

全は既にバリアジャケットを着込んでおり、臨戦態勢といった感じだ。

アリシアやフェイト、るいも同じくバリアジャケットを着ているのだが……その中でも一際意識が高いのは全だろう。

何分、今回は任務だ。前世では任務と聞けば気持ちを切り替えてやっていかなければいけなかったので、その時の事が抜けないのだろう。

「それじゃあな。任務の成功を祈ってるよ」

「いってきます、クロノ」

「行ってくるね!」

「いってきます」

「ああ」

四人はそれぞれクロノに返事をして、転移魔方陣の中に入り問題の研究所の前にやってきた。

「さてと……確か、研究所の調査だったよね」

「うん、良くない噂がたくさん立ってるみたい」

「その良くない噂って?」

「何でも、子供の悲鳴とかすすり泣く声が夜中によく聞こえるらしいよ」

「悲鳴、ね……」

研究所と聞いて全は少しだけ嫌な予感はしていた。

研究所ときて、子供の悲鳴。全の脳裏には、人体実験という単語しか思い浮かばなかった。

実際、そのような研究所を何個も見てきた全はこの面子で大丈夫なのかと不安なのである。

その中でも、特に不安なのが、フェイトとアリシアだと全は思っている。

(この二人は双子だが……ちょっと事情が違うしな)

そんな事を思いながら全は研究所の様子を見る。

「お前達、無駄な話はもうやめよう」

全はそう言って周囲を警戒しながら進む。

「何だよ、あいつ。無愛想でさ」

アリシアはそんな文句を言いながら全についていく。

「でも、橘の言うとおりだよ、姉さん。るいも、行こう?」

「ええ」

対照的にフェイトとるいは肯定的だ。

先行して全が。それに続くようにアリシア、フェイト、るいの順で研究所へと進んでいく。

そして、研究所の入り口に辿り着く。

しかし、周りは嫌なほどに静かだ。

「静かだね……」

「うん……」

「さすがにここまで静かだと、ちょっと不気味……」

周りの静けさにるい達は辺りを見渡す。

一方、全は研究所の入り口を見つめたままだ。

(おかしい……あんなに怪しさ満点の感じを出しておいて見張りが誰もいない……管理局が勘付く事もわかっていた筈だ。それなのに見張りも立てない……いや、立てる必要がない……?いや、それにしても……)

あれほど
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ