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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
え、えー・・・
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一輝たちがウィル・オ・ウィスプに泊まっている間のノーネーム本拠。その武器庫。

「しかし、お前も物好きだねぇアジ=ダカーハ。わざわざこんな武器しかないところに来るなんてよ」
『そう言うな、蚩尤。私としては対等に話せるものが少ないのだ』

そんな場所にいるのは二柱の悪神。共に一輝に封印され使役されている蚩尤とアジ=ダカーハ。本来なら下層の、それも“ノーネーム”にいていい存在ではないのだが、まあそんなことはいまさらである。そもそも一輝自身が生粋の神霊である上に音央もまた神霊、ヤシロは終末論だ。

「ふーん・・・それで?何か話したいことでもあるの?」
『あるから来たのだが・・・その前に、気になることが出来た』
「なにー?怠いから手短にねー」
『では、聞かせてもらおう。一輝の記憶にある姿とはかなり違うのだが、どうしたのだ?』

まあ、うん。前に一度だけこの神が話しているところを思い出してもらえばわかると思うのだが、かなり変わっている。その姿もあの時はちゃんと伝承通りのものだったのに、今は『働いたら負け』と大きくプリントされたTシャツにジーンズを着た、容姿だけ(・・)は中華系のイケメンであるその姿は、本当に残念なイケメンである。

「んー?怠いから」
『いやだから、なぜあの時は・・・』
「雰囲気って大事じゃん?」

即答である。もはやアジさんですら絶句してしまったくらいに即答である。

「あの六十三代目と話した二回は結構重要なことだったしねー。神様として雰囲気は作らないとでしょ」
『それであれになったのか』
「そうそう。で、今はその反動でこうしてダラーっとしてる。あー、ビバグータラ生か・・・」
『せめて最後まで言わないか』

アジさん、もはやあきれ返っている。片手を額に当ててため息を一つついてしまっている。
こんなのが本当に自分と同じ『悪』の霊格を持つ神霊なのか。かつて箱庭に現れた蚩尤は魔王であったというが、それと同じ存在であるのか。あれか、『怠惰』という悪性でもつかさどっているというのか。

「俺が殺された時だって、何かするのが面倒で手下に全部任せてたら五代目が来てさー。『神ともあろうものが惰性に走るとは何事かッ!』って言われて、そのまま大喧嘩の後に殺されたんだよねー」
『知りたくもなかった真実だな』

同じ神霊であっても。鬼道の一族に殺され封印された数少ない神霊であっても、ここまで大きな差が出来てしまうのか。そう言えば天逆毎もまた自分たちとは方向性が違ったということを思い出して、なんだか妙な納得をしてしまったアジさんである。

「それで?何が話したいの?というか、なんで僕?」
『ああ、それは・・・って、今一人称変わらなかったか?』
「え、変わった?統一するのも面倒になったかな・・・」
『・・
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