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僕のサーヴァントは魔力が「EX」です。
ランサーの正体
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意をしてくる。多分、彼女の中では慎二だけじゃなく、僕達も「緊張感がないマスター」に含まれているのだろう。

「それで平和君? 私と間桐君の話にも気づかずにボーッとしていたけど貴方は大丈夫なの? 対戦相手の情報くらい調べているんでしょうね?」

「ああ、それは大丈夫だ。ほら」

 僕は凛に答えると携帯端末を操作して図書室で犯罪情報と一緒にコピーした情報を本の形にして取り出してみせた。僕の考えが正しかったらこの本にレーベンのランサーの正体が書かれているはずだ。

 ☆

「多分、ランサーの正体は『レミエル』だろうな」

 マイルームに戻った後、図書室でコピーした情報を見た僕は自分なりに考えた答えをアヴェンジャーに告げた。

「レミエル?」

 アヴェンジャーが首を傾げる。ああ、やっぱり日本の英霊はあまり聞かないか。

「そう、レミエル。……正真正銘の『天使』だ」

 僕が図書室からコピーした情報は旧約聖書の「第一エノク書」。そこに書かれている天使の一柱こそがランサーの正体だと僕は思う。

 レミエル。

 ラミエル、ラムエル、ラメエルとも言ってその名前の意味は「神の雷霆」。

 幻視を司る存在でその力を使って神のメッセージを伝えるという役目を持つ。

 第一エノク書では七大天使の一角と数えられているが同時に、神を裏切って人間と交わることを決めた二百の堕天使であり「背教者のリーダー」と呼ばれる一面も持つ。

「なるほど〜。確かにそんな存在だったらあの派手な戦い方も納得だし、あの光の槍を構えての突撃なんて正に雷って感じだったよね」

 僕の説明にアヴェンジャーも納得したように頷いてくれた。うん、多分ランサーの正体はこれで決まりだろう。

「……だけどランサーの正体が分かったところで、また新しい問題が出てきたんだけど」

「……うん。それは私も同じ」

 僕とアヴェンジャーは顔を見合わせると同時に口を開いた。

「「この敵、どうやって倒そう?」」

 本当にどうやって倒したらいいのかな? 一回戦の相手が天使だなんて聞いてないぞ? 情報源の第一エノク書をどれだけ調べても分かるのはレミエルの強さだけで弱点らしいものはないし、これってはっきり言って無理ゲーじゃないか?

「ん〜……。こうなったらもう取れる戦いは一つしかないかな?」

「何だ? 何か作戦でもあるのか?」

 アヴェンジャーは僕が聞くと肩をすくめて答えた。

「作戦でも何でもないよ。……ただごり押しをするだけ」
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