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大統領の日常
本編
二十七話 過去
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西暦2108年 8月 24日
ペルシャール・ミースト


俺が起きると、そこに見えたのは知らない白い天井だった。俺はベッドに寝ているようだ。横には何やら医療関係の機械が設置されていた。どうやらここは病院のようだ。

ん?・・・おかしい。

ふと壁に掛けてあるカレンダーを見た。今日は西暦2108年8月24日。
昨日は何日だった?

たしか、5月の24日だったはずだ。

一日で3か月進んだってことか?ありえない。そんなことはあるはずがない。

もう一度壁に掛けてあるカレンダーのモニターをよく見つめた。確かに今日は西暦2108年8月24日だ。
どういうことだ?なぜ今日が8月24日なんだ?
そして俺はなぜベッドで寝ているんだ?窓から見える景色は俺の記憶には全くない。ここはどこなんだ?

「失礼します」
そういってはいってきたの看護婦さんだった。
「どこか痛いところなどはありますか?」
「・・ない・・・」
俺はそう短く答えた。
「今日は西暦2108年8月24日で合ってるか?」
「?はい、今日は西暦2108年8月24日です」
「俺は何でこんなところにいる?」
「・・覚えていらっしゃらないのですね。ペルシャールさんは3か月間寝たきりでした」
3か月間寝たきり?俺に何があったんだ?
「俺に何があったんだ?」
「・・・3か月前、5月24日の午後7時30分ごろ。ペルシャールさんは自宅に帰る途中で交通事故にあったんです。信号無視で進んできたトラックとぶつかって。直ぐに病院に搬送されて手術も成功しましたが、いつまでたっても目が覚めることはありませんでした。もう亡くなっているのではと検査を何回もしましたが、結果はどれも同じ、何の異常もありませんでした」
「交通事故を起こした?っ!記憶にないな・・・」
「恐らく交通事故に遭った際に記憶喪失をしてしまったのでしょう」
「そういえば3か月間寝たきりだった俺が起きて驚いたりしないのか?」
「それも覚えていらっしゃらないんですね。ペルシャールさんは昨日の夜一度目を覚ましました。何か言っていたようですが・・・」
「・・俺はなんといっていた?」
「・・・金剛、榛名、大和、加賀、赤城、長門、そしてみんな。今までありがとう、とそういっていました」
金剛?榛名?・・・旧大日本帝国の軍艦の名前だ。なぜそんなことを?みんな?ありがとう?なぜありがとうなんだ?・・・何も記憶にない。
「そうか・・・ありがとう、か。わかった。いつごろ退院できる?」
「検査などがありますから1週間後ぐらいになると思います」
「そうか。わかった。少し一人にしてもらえるか?」
「わかりました。失礼します」

3か月間寝たきり。
ただの交通事故でこんなことになるはずない。その3か月間でなにがあった?俺
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