暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
吊り橋効果?
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「ふぁ・・・・・・ん?」

ところ変わって一輝の部屋。
本人はもう今日は寝ているといったのに起きた一輝は、一つ欠伸をしてから首を傾げる。
前にも言ったかもしれないが、呪力というものは減りすぎるとそれを回復しようとする。そこには呪力を全部使うと死んでしまうという部分があるため、その回復は体の方にしてみればかなり重要なことだ。
だからこそ、かなりの量をジャックに送り続けるようにしていた一輝にしてみれば目が覚めたこと自体に疑問符が浮かんだ。が・・・割とすぐに冷静になって、状況の理解を始めた。真っ先に行うのは、ジャックとのリンクの確認。そして・・・

「・・・なんでジャック、こんなに呪力に満ちてるんだ?」

自分が送った以上の呪力、そして生命力をジャックが持っていることを確認し、普通に驚いた。それでもそこまで冷静さを失わない。驚くという感情を知らないかと疑うほどにあっさりと考えを進める。

「可能性としては俺が成長したか、もしくは何かイレギュラーか―――ジャックが子供たちといたからか」

呪力というものは、感情に大きく左右される。そして他者から与えられる感情というのは、もはや完全に魂だけの存在となっているジャックにはこれ以上なく大きな影響を及ぼす。
この上なく子供を愛しているジャックという存在に、この上なくジャックが大好きな“ウィル・オ・ウィスプ”の子供たち。そんな関係によって影響を与え合ったのではないかと、そんな仮定を立ててみて・・・

「・・・ま、無粋なことは考えなくてもいいか」

その思考を放棄する。自分が知る必要があるのは、とりあえず自分がやることが減って楽になったということのみ。それならそれでいいとベッドから降り、一つ伸びをしてから何をするかと考える。ジャックの方がかなり早いタイミングでクリアできてしまったのか、彼は今ただ寝て起きただけのような感覚を味わっているのだ。

「この様子だと、まだ夜だしな・・・」

外を見て時間を確認。まだ全然朝に近づいていない、しかしもう皆寝静まっているような時間。さてどうしたものかと考えてから・・・

「・・・体痒いし、風呂いこ」

結局、そんなテキトーさで何をするかを決める。タオルだってボディーソープだってシャンプーだって倉庫の中にある。水は水樹の枝で出せるし、お湯を出したいならその温度を操るという手段に出るだけなのだ。必要なのは水を出しても問題がなく、裸になっても問題のない場所。要するに風呂だ。
倉庫の中を探って上記のものを取り出し、ついでに着替えとして和服を取り出して部屋を出る。そのままテキトーに歩き回って風呂場を探して、そこに入った。

「ふむ・・・風呂場は割とどこでもちゃんとしてるのか?」

“ノーネーム”でも風呂場自体は豪華だったので、一輝はそう考える
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