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詩集「棘」
風鈴

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風に揺れ…凛と響く
二つ並んだ硝子の風鈴
目蓋を閉じて音に身を委せると
君の笑った顔が浮かんできた

時は瞬く間に過ぎて
想いだけでは届かない…

虚空に鳴るは二つの風鈴
一つは朝顔 儚き恋
僕の心を見透かすように
その音を凛と響かせた…


どこか遠く…流されて
優しくなれるところへ行きたい
ずっとこのまま此所で止まっていても
今を削って生きているだけで…

君を強く想うことに
後悔なんてしないけど…

虚空に鳴るは二つの風鈴
一つは向日葵 陽に焦がれ
君を欲する心に染みる
その音響かせ 哀れんだ…

虚空に鳴るは二つの風鈴
二つ並んで 響きあう
いつかは君に想いを伝え
返る言葉を待つでしょう…




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