暁 〜小説投稿サイト〜
オズのベッツイ
第十二幕その四
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「だからね」
「いいんだ」
「ええ、ほっとしてるわ」
「そうだね、じゃあ後は」
「宮殿まで。気を抜かずに帰りましょう」
「一緒にね」
 こうお話してでした、皆で緑の世界の中を進んでいきます。
 そして緑の城壁の門のところに来てです、ベッツイは門番の兵隊さんに笑顔で声をかけました。
「只今」
「おお、これはベッツイ王女」
 兵隊さんもそのベッツイに笑顔で応えます。
「戻られましたか」
「ええ、今ね」
「今回の旅は如何でしたか」
「とても楽しかったわ」
 ベッツイは兵隊さんに笑顔のまま答えました。
「とてもね」
「それは何よりですね」
「ええ、それでオズマ達は」
「はい、宮殿におられます」
「そうなの、皆なのね」
「王宮にお住みの方は」
 その人達はというのです。
「皆さんおられます」
「そうなの、それはよかったわ」
「では今から」
「ええ、王宮に戻るわ」
 その宮殿にというのです、こう兵隊さんとお話してです。
 皆は都の中に入りました、街はベッツイ達が出発した時と全く変わっていません。ナターシャは奇麗な緑の都を見回して言うのでした。
「エメラルドの都に着くと」
「ほっとするでしょ」
「はい、旅の後で着きますと」
 実際にとです、ナターシャはベッツイに答えました。
「本当に」
「そうよね、私もよ」
「やっぱり旅の後で」
「帰って来るとね」 
 それで、というのです。
「ほっとするわ」
「そうですよね」
「ええ、けれど旅はお家に帰るまでよ」
「だからですね」
「まだ旅の途中だから」
 都に帰ってもというのです。
「まだ気を抜かないでね」
「そうですよね」
「ジャムは鞄の中にあるわ」
 今もというのです。
「ちゃんとね」
「そうですか、大事に持っておられるんですね」
「それもただ鞄の中に入れるのじゃなくて」 
 それだけでなく、というのだ。
「包みもしてるから」
「そこまでされてるんですか」
「ええ、ちゃんとね」
 それをしているというのです。
「落としても割れない様に」
「そうされてるんですね」
「さもないと万が一の時に困るから」
 落としたりしたその時にというのです。
「そうしたの」
「用心に用心をですね」
「重ねてるの」
 そうしているというのです。
「それで最後までね」
「宮殿まで」
「帰りましょう」
 こう言ってでした、ベッツイは皆と一緒に王宮まで行くのでした。そのうえで。
 皆は都の中を進んでなのでした、遂にです。
 その王宮の門をくぐってでした、ベッツイの部屋まで着きました。そこでベッツイはほっとしたお顔になって皆に言いました。
「着いたわ」
「はい、遂にですね」
「帰ってきましたね」
「旅が終わりましたね」
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ