暁 〜小説投稿サイト〜
ロード・オブ・白御前
踏み外した歴史編
第4話 仲良しと仲直り
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

 戒斗は紘汰と物別れして湊ともども離脱。紘汰と光実は舞を迎えにガレージに行って不在。

 現在“ドルーパーズ”にいるメンバーは、巴と碧沙。初瀬。裕也。城乃内と凰蓮。ザック。店長の阪東と、厚意で残って手伝ってくれている晶の9名である。

「碧沙」
「なあに、巴」
「手、出して」

 正面に座る碧沙は、笑って両手の平を巴に向けた。
 巴は碧沙の手の平に自分の手の平を重ねた。

「どうしたの? 甘えたさんね」
「ちゃんと碧沙だなあって。あの時がんばってよかったなあって」
「そうね。巴がいなくちゃ、わたし、わたしじゃなくなってたんだものね。改めて。ありがとう。巴」
「もっと……褒めて?」
「はいはい」

 碧沙は苦笑して、身を乗り出して巴の頭を撫でてくれた。くすぐったくて心地よかった。







 ――そんな少女二人の睦み合いを面白くない気分で眺めているのが、カウンター席に並んで座る初瀬と城乃内である。

「ねえ初瀬ちゃん。巴ちゃん、ばっちし碧沙ちゃんに奪われちゃってるよ。いいの?」
「よくねえよ。んでもその辺、無理にでも納得しねえと、トモに付き合うなんてやってけねえんだよ」
「悟ってるね〜」
「それなりの付き合いだからな」

 初瀬は仏頂面をして片手で頬杖を突き。城乃内は腕組みして指を絶え間なく叩き。
 どちらとも互いを見ようとしていない。

 ――実を言うと、初瀬も城乃内もただ緊張しているだけなのだが、特に城乃内のほうに「前科」があるので、気まずくて目を合わせられないでいるというのが現状なのだ。


「ミッチと角居に聞いたんだけどさ。戦ったんだって? オーバーロードの王様と」
「ああ、まあな」
「にしては怪我とか大したことないよね」
「瀕死になるまで食い下がったっつーの! どこからだその誤情報!」
「そん時の初瀬ちゃん、ゲネシスドライバーじゃん! 俺なんか、ふっつーの戦極ドライバーとふっつーのロックシードでインベス何百体と戦ったし!」
「もぉ! みっともない真似はおやめなさい!」

 凰蓮が城乃内と初瀬の頭に平等に拳骨を落とした。

「いって〜っ」
「何で俺まで……っ」
「大丈夫ですか、亮二さん!」

 巴がボックス席を立って初瀬に駆け寄り、頭を撫でた。瘤にはなっていないから大丈夫だと思うが。

 巴は安堵らしき溜息をついて、それから凰蓮を睨みつけた。

「そんな生意気な目で見てもちっとも怖くなくてよ。Femme japonaise gracieuse(大 和 撫 子)?」
「あなた、キライです」
「こーら」

 初瀬は巴にデコピンを食らわせた。久々だ。

「他人に向かって簡単にキライとか言うな。変に捻った悪口言うよりこじれることも
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ