暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校〜黒衣の人間主神〜
九校戦編〈下〉
九校戦五日目(2)×雫の準備姿とほのかと織斑兄妹との思い出
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第五試合は、雫の出番となったが選手の服装は決まってない。ピラーズ・ブレイクは、高さ四メートルの櫓の上から十二メートル四方の自陣に配置された氷柱十二本を守護しながら十二メートル四方の敵陣の氷柱十二本を先に倒すか破壊する競技だ。魔法は遠隔のみであるが、肉体を使う必要はないので双方選手の服装は一切影響しないという事。

デバイスを構える時に邪魔になるという服装は論外であるが、ルール上も服装に対する規制が緩いがただ一つあるのは『公序良俗に反しない事』だった。なので必然的にいつの頃から女子のピラーズ・ブレイクはファッション・ショーだろうなーと思っていた。

本戦に出場した二日目と三日目の千代田先輩は、丈の短いスパッツとミニワンピのように見えるシャツと太ももまであるニーソにスニーカーだった。一回戦で出たエイミィの服装は、ハイネックシャツに赤いライディングジャケット、白い細身のキュロットに黒のロングブーツと同じく黒のホースキャップという乗馬服スタイルだった。

「雫、その振袖は邪魔にならないか?」

「大丈夫だよ。袖は小さめだし、襷を使うから」

俺の目の前で襷を器用に掛けていたので、慣れている様子だという事が一目で分かる。試合前に余り時間ないが、選手達曰く気合入れる為の正装だと言う。雫が選択したデバイスというより、俺が彼女に持たせたデバイスは汎用型。攻守共にバランス良く力配分した戦術取る事を意味している。俺は奇策ばかりする程ではないし、選手にとっての最適の道具とそれを活かす作戦を提供しているだけなので迷いもなく正攻法を採用する。雫がステージに姿を見せると奇抜なスタイル故か、観客席がどよめいていた。

『観客席がどよめいている様子だが、本人にとっては平気な顔をしているな。襷で露わになった左腕を持ち上げているが、雫がいつも使っているのと同じだし、コンソールが内側を向いているタイプ』

『最近の女性魔法師もコンソールが外向きのタイプが主流だそうですが、内向きを愛用しているのは流石は北山家のお嬢さんですね。普段から無口無表情から時折容赦ないツッコミを繰り出している姿を見ますが、今と普段を見比べると違和感を覚えますね。一真様』

本人に聞かれたら、無言で殴られそうなので俺と蒼太は念話で雫の感想を言っていた。俺はモニター機器のピントを合わせたが、これからの時間はフィールドに集中するのが雫の役目で、雫に集中するのが俺の役目だ。そんで、雫にも俺ら流の魔法で本番前から結構練習させていた。エイミィにはショットガン形態の汎用型で、トリガーメモリとルナメモリでのマキシマムドライブを参考に創った特注品。なので雫のも、一見雫がいつも使っているけど中身はかなり違うからだ。

「深雪・・・・一真さんの所に行かないの?」

一般観客席ではなく、選手・スタッフ用の観
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