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ホワイトハウス
4部分:第四章
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第四章

「あの者達は自分のことしか考えていない」
「ですよね。あれは酷いですね」
「しかし私は違う」
 彼はだとだ。彼自身が言うのだった。
「それに彼等もだ」
「ですよね。今の人にしても」
「そのことは安心して欲しい。そしてだ」
 さらにだとだ。彼は言ってきた。
「私達はいつも君達を見守っていることを覚えておいてくれ」
「俺達アメリカ人をですね」
「色々なことがあり同じだけ色々なことがある国だ」
 まだ若いがそれでもだ。多くのことがあってきた国、それがアメリカだ。そして今も多くのことがある。この国はあらゆることにおいて多彩だ。
 そのアメリカにいてだ。彼は言うのだった。
「だがそれでもだ」
「俺達を見守ってくれるんですね」
「その通りだ。いつもな」
「有り難うございます。それじゃあ」
「また機会があれば会おう」
「はい」
 ラテン系の若者が応えてだった。彼は笑顔で挨拶をしてそのうえで彼等に背を向けて庭を後にした。その後姿を見送ってからだ。ラテン系の彼は言った。
「初代に会えたなんてな」
「何となくわかってきたけれどな」
「あの人か」
「あの人だったんだな」
「ああ、そうだよ」
 こうだ。ラテン系の彼は友人達に話す。そうしてだ。
 アメリカの紙幣を自分の財布から出した。そこにあの彼がいた。
「この人な」
「まさかあの人までいるなんてな」
「流石に思わなかったな」
「っていかリンカーンやあの人だけじゃないんだな」
「他の人もいるってな」
「おい、そういえば」
 アフリカ系の若者が気付いた。目の前にだ。
 高い鼻に深い皺の老人がいた。彼は。
「あそこにいるのは」
「ああ、元映画俳優のな」
「あの人もいたんだな」
「大統領だったからな」
 その彼も見たのだった。彼等は。
「何か一杯いるな」
「あの人もいて他の人もいるんだな、本当に」
「このホワイトハウスにいてそうして」
「俺達を見守ってくれるんだな」
「それじゃあな」
 それならどうするか。彼等は自然に話す。
「俺達もその人達の守護に応えてな」
「そうだな。ちょっと頑張るか」
「アメリカ人としてな」
 彼等は誰もが笑顔で話していく。
「リンカーンだけじゃなくてこれまでの大統領が見守ってくれてるんだしな」
「このホワイトハウスでな」
「そしてここからあちこちに出向いてまで働いてくれてるんだ」
「そこまでしてくれるんならな」 
 彼等の守護と期待に応えてだと話してだ。彼等はこれからアメリカ人として頑張ろうと決意したのである。ホワイトハウスにおいてそうしたのだ。
 その彼等がホワイトハウスを出る時だ。出口にあの最初の彼がいた。彼は笑顔でこう彼等に言ってきた。
「では。これからもな」
「はい、宜しくお
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