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竜門珠希は『普通』になれない
プロローグ:4人兄弟姉妹、☆空レストランへ行く
このJK妹、接待経験あり(する側とは言ってない)
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 歌いたい曲に限ってカラオケに入ってない。よくあることだと思います。

 だからか、あたしのお兄ちゃんと妹は車内で絶賛カラオケ中。そりゃああんたたちが見てる深夜アニメのキャラソンなんて滅多に登録されないでしょうよ。別に見下してるわけじゃないけど。
 運転席と助手席に座る二人は先程まで一億と二千年前からの恋愛を熱唱してたと思えば、某宇宙人たちといろえろ(注:誤植にあらず)やらかしてはTo○ぶるお話の曲を、これ停車中に隣の車にまで聞こえるんじゃない? ってくらいの声量で歌ってる。
 ちなみにあたしの精神状態は完璧に迷い猫もいいところ。オーバーランした先が断崖絶壁な気分で、ちっともはっぴぃじゃない。

 でもマジメな話、お母さんが言うには実際のところはどれだけネット環境が充実しても需要ってのは相変わらず一定範囲で固定されてしまうらしい。どこぞの秋葉原(アキバ)に劇場構えるアイドルと違って、江戸時代から続く48(手)は今の世でも48を超えることはないし、実は擬人化も同性愛も触手も昔からのものらしい。丸呑みフェチとかはなかったみたいだけど。
 最近はSNSやオタクの表面化で多少ニッチな性癖や嗜好の持ち主の声が高くなってるけれど、そうなったところでマジョリティの優勢は変わらず、マスゴミが数年周期で何度も似たような都合のいい流行(モノ)を作り上げているとお父さんからも言われた。


「……で、今日の晩ご飯どうしよっか?」

 誰にともなく尋ねた質問に答えが返ってこない。よくあることだと思います。

 その場に何人もいるのに、長年同じ屋根の下で過ごしたしこれからも過ごしていく家族なのに、たった(?)4人の兄弟姉妹なのに、どうしてあたしだけがこんな仕打ちを受けるんでしょうか? 神様あたし何か悪いこと――してるかも。現在進行形で。
 まあ、仮にそんな神様がいたならきっとテンプレ的にょぅ○ょだから、あたしは手足拘束して全身ありとあらゆるところを愛でて撫でて舐め回して味わ――(本作品のレーティングに関わるので削除)――するだろうなぁ。


「今日はお兄ちゃんもいるしさ。何か少し凝ったものでも……」
「俺は何でもいい」

 この機会だし、せっかくだからみんなが食べたい物作ろうかな、とこっちが乗り気で献立を尋ねたところを、何でもいいと叩き潰されること。よくあ……ってたまるかっ!

 絶対そういうヤツに限ってこの世の主婦&主夫の献立ルーティン維持の苦労をちぃっっっっっっともわかってないしッ!!
 毎日三食お茶漬けだけ出したら何でもいいって言ってられないくせに!!


「ふーん。三人とも本当に何でもいいの?」
「まあ、俺は姉ちゃんの腕を信じてるし」

 ひねくれたあたしの質問に、あたしの愛する弟は|いい感じ《すな
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