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英雄は誰がために立つ
Life6 湯けむり
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上から目線と来たものだ。随分とご立派な帝王学だな!」
 「・・・・・・・・・・・・っっ!!」

 言葉を畳掛けられてしまい、反論の術を失った“彼女”は、非常に悔しそうに睨み付けるしか出来なかった。

 (ぐうの音も出ない時に悔しそうにする顔つきとか、本当に・・・・・・・・・によく似てるなぁ)

 何も言ってこないのに嘆息しつつ、促すために士郎から口火を切った。

 「それで?何か言う事は無いのかね?」
 「・・・・・・悪かったよ。これでいいか?」
 「何で嫌々なのかね?謝罪の意思がないのなら、別に無理して謝る必要はあるまい。ただ単に、今後の対応を考えるだけだからな?」

 ふて腐れたぞんざいな謝罪を指摘する士郎。

 「す・い・ま・せ・ん!悪かった、オレが悪かったよ!だからもう、勘弁してくれよぉ。なぁ!」

 そして追い込まれた“彼女”は、先程とは違い、意思のある謝罪をした。駄々を捏ねながら地団駄を踏んでいる感が強かったが。

 「まったく・・・。最初から素直に謝ってれば済んだと言うのに」
 「小姑みてぇに、グチグチうるせぇぞぉ(ボソッ)」
 「ん?」
 「・・・・・・すまなかった」

 “彼女”からすれば愚痴を呟いた程度だったのだろうが、士郎に聞きとられてしまい、泣く泣くまた謝った。

 「ふむ?謝罪の意思があるなら、勿論頼みも聞いてくれるよな?」
 「好きにしろよ!」
 「ん?」
 「・・・・・・喜んでっ・・・やらせてもらいますっ・・・!」

 堂々巡りの悪循環だった。


 −Interlude−


 “彼女”との密会と言うほどのモノでもない話し合いを終えてから、士郎は特別性の転移魔法陣を使用して、冥界のグレモリー城に戻って来ていた。

 「ただいま帰還し――――」
 「士郎さんっ!!」
 「ゼ、ゼノヴィアか。如何したんだ?」

 城に入るやゼノヴィアに抱き付かれる士郎。

 「士郎さんは私の嫁――――って間違えた!士郎さんは明日からずっと私の監督をして下さい!」
 「ソーナとのレーティングゲームに向けてか?」
 「如何して、知ってるんですか?」
 「椿姫から連絡があったからな」

 此方に転移してくる前に、士郎の携帯に椿姫から、特訓に付き合ってほしいと頼み事をされたのだ。

 「っ!先を越されただと!?そ、それで、引き受けたんですか?」

 信じたくない思いから、懇願の眼を向けるゼノヴィア。

 「ああ」
 「そ、そんなっ!?どうしてですか!私と言う(モノ)がいながら!!」
 「如何しても何も、強く成りたいという強い思いを、携帯越しからも感じられたからだぞ?」

 それに応える事の何が悪い事なんだ?と言われている気がしたゼノヴ
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