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SAO−銀ノ月−
第七十九話
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受けていたクエストももったいないと、リーファにシリカを誘っていくことにしていた。……もちろんアスナも誘っていたのだが、残念ながら家の方で用事があるそうで。

「うん、私の分まで楽しんで……って、シリカちゃんがどうかしたの?」

 やけ酒ならぬやけコーヒーを飲み干した後、リズは《天使の指輪》から面白いことを思いだす。クエストに誘った際、やはりシリカもアインクラッド時代に、《天使の指輪》クエストを受注していたという。

「シリカも《天使の指輪》クエストやってたらしいけど、キリトの奴と一緒に行って、交換しちゃったらしいわよ?」

 ――もっとも。キリトの奴は、不便な電話だ、くらいにしか思ってなかったみたいだけど。という言葉は最後まで言わずにいると、コーヒーを上品に口に運んでいたアスナの動きが、電源が切れたロボットみたいにピクリと止まる。

「ふふ、シリカちゃんの残念そうな顔が浮かんできそう」

 ……かと思えば、ゆっくりとコーヒーをカップへと下ろし、余裕の貫禄で笑ってみせていた。リズはちょっと残念に思いながら、しばし時間が経った時計を確認する。

「アスナ、まだ時間は大丈夫? 久々に簡単なクエストでも行きましょ!」

「いいね! 何行く?」

 依頼のあった武器の作成も終わったことだし、《天使の指輪》クエストが始まるまで少し時間がある。この街中で完結するほどのクエストなら時間はあるかと、誘ってみるとアスナは喜んで快諾してくれる。最近、家の事情で忙しいらしいアスナと二人でクエストに行くのは久しぶりだと、行けそうなクエストをさっさと確認していく。

「あ、これなんて――」

 ……こうして、こちらの世界は平和に過ぎていく。そして、話題にのぼった《天使の指輪》クエストでは、新たな人物と出会うことになるのだが、またそれは別の話に。

 ――そして妖精の世界から、銃と硝煙の世界の話に移り。

「くそっ……!」

 悪態をつきながらも、ショウキは路地裏へと飛び込んでいく。踊るように走るリーベは、さらに路地の奥に進んでいくようで、本当に彼女は『鬼ごっこ』をするつもりらしい。

 普通なら放っておくところだが、今回はそういう訳にはいかない――彼女が語ったSAO失敗者とはどういうことか、この世界の情報源について――など諸々の理由から、まずはショウキも路地裏の奥へ走っていく。

 ふざけた走り方をしていてもリーベの速度は速く、地の利もあるが、彼女が本気で走れば容易く見失ってしまいそうだ。それを踊るように挑発しているおかげで、何とか見失わないことが出来ているが、このままではただのいたちごっこ……いや、いたちごっこならまだいい。踊りながら走るなど、明らかに彼女はこの路地を走り慣れている。撒かれてもおかしくない。

「仕方
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