第十幕その七
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「何処かで食べていたわ」
「そうだよね」
「それでイカ墨のスパゲティもね」
こちらもだというのです。
「食べているわ」
「そうだよね」
「私も好きよ」
恵理香はにこりと笑ってカルロスに答えました。
「これ凄く美味しいわよね」
「うん、最初は何かって思ったけれど」
「インクをかけていると思ったわ」
ナターシャは率直にこう言いました。
「スパゲティに」
「そう見えるわよね、本当に」
ベッツイがそのナターシャに笑顔で答えました。
「このスパゲティは」
「はい、本当に」
「けれどね」
それがなのです。
「墨は墨でもね」
「イカの墨ですね」
「そうよ、じゃあこのスパゲティも食べて」
「そのうえで、ですね」
「お風呂も入って」
近くの川で、です。
「それから寝てね」
「明日もですね」
「真実の池に」
「ええ、向かいましょう」
ベッツイは皆に言ってでした、そうして。
皆でパスタを食べて身体を奇麗にしてから寝ました。そうして朝起きて朝御飯を食べて歯を磨いてからでした。
皆でまた歩きはじめました、そのお昼にでした。
皆は遂に真実の池に着きました、すると。
その池のところに黄色いタキシードとズボン、靴に靴下で着飾った大きな蛙がいました。人間の大きさで身体は人間の様に後ろ足で立っています。お顔には洒落た知的な眼鏡があります。
その蛙を見てです、恵理香が笑顔で言いました。
「この人がカエルマンね」
「おや、私のことをご存知かな娘さんは」
「はい、オズの国の名士のお一人ですから」
「ははは、そう言ってくれるんだね」
「はい、駄目でしょうか」
「私も有名なんだね」
「そうです、外の世界でも有名ですよ」
恵理香はその人カエルマンのところに来て彼に笑顔で言うのでした。
「王室年代記でも出て来て」
「ボームさんが書いてくれた」
「ボームさん以外の方の年代記は知らないですけれど」
「ふむ、外の世界でもだね」
「カエルマンさんは有名です」
「そして他の皆のこともかな」
今度はカエルマンから言ってきました。
「有名なのかな」
「そうです」
「そういえばベッツイ達もいるね」
カエルマンはベッツイ達もいることに気付きました。
「皆どうしたのかな」
「実はね」
ここでベッツイがカエルマンにここまで来た理由をお話しました、そして恵理香達五人のこともです。すると最後まで聞いてです。
カエルマンは腕を組んで考えるお顔になってこう言いました。
「一回この娘達に会った様な」
「王宮に来た時に?」
「そんな気もするね」
「この娘達は最近オズの国に来る様になったのよ」
「そうなんだね」
「けれど最近貴方は」
「王宮にいっていないからね」
カエルマンは自分
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