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駄目親父としっかり娘の珍道中
第75話 子供ってのは何処までも我が道を行くもの
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 無事に偽装船内へと潜入に成功した神楽と他二人は何のトラブルもなく船内をうろついていた。正直拍子抜けする感じである。
 船内を歩くのだから恐らく戦闘は避けられないだろうと覚悟はしていたのだが、こうも誰とも出会わないとなると逆に不気味に感じる。
 しかし、幾ら船内で誰とも出会わないとは言え、現在自分達が居る場所は恐ろしい攘夷志士達の隠れ家だ。いつ何時誰かしらと鉢合わせるか分からないのだ。絶対安全とは言い切れない不安が新八に重く圧し掛かっていた。

「あ〜、マジ気持ち悪いアルぅ〜。もうこの辺で良いから吐きたいアル」
「神楽ちゃん大丈夫? 今神楽ちゃん風邪引いてる状態なんだから無理しちゃダメだってば」

 そんな新八を他所に神楽は壁に寄り掛かり背中を丸めてしまっている。いい加減風邪の状態でうろつき回っていたが為にそろそろ限界なのであろう。いつも以上に神楽の元気が感じ取れないでいる。
 そんな神楽を【大丈夫? リーダー】と隣でプラカードを掲げてながらエリザベスが心配そうに見つめている・・・のかな?
 正直エリザベスの目は四六時中円らな点の目をしている。その為に表情でエリザベスの心情を伺う事は実に困難な事だったりする。まぁ、恐らく神楽の事を心配していると思って間違いないのであろう。

「うえっぷ! も、もう駄目ね! これ以上はもたないアル! リバースしそうアルよ」
「え! 嘘、マジで!? ちょっと、どうしよう。今僕エチケット袋とか持ってないですよ。エリザベスさん持ってませんか?」
「うむ、丁度持っているからこれを使ってくれ。さっきあんぱん買った時に大き目の袋を貰ったから充分間に合うだろう」

 と、エリザベスの口がカパッと開き、その中から物凄く見覚えのある顔が見えた。あれ? この人、誰だっけ?
 余りにも唐突な出来事だっただけに新八は一瞬思考が停止してしまっていた。それは神楽も同じであった。
 真っ青な顔になりながらエリザベスの口から覗かせる顔を凝視する。
 そう、其処に居たのは紛れもなくあの桂小太郎その人なのであった。

「どうした、使わないのか? リーダー。遠慮なくこの袋に向かって吐瀉物を撒き散らすが―――」

 言い終わるが前に新八と神楽の鉄拳制裁が桂の顔面に下された。哀れ、折角エチケット袋を差し出したであろ桂は新八と神楽のツートップにボコボコにされてしまっていた。

 てんめぇ今まで何処行ってたアルかぁ! こっちは心配して探し回ってたってのによりにもよってエリザベスの中だとぉ! 何時からだ、いつからその中に居た! 散々迷惑掛けておいてちゃっかり出てくるんじゃねぇよこの糞ボケぇ! それじゃあれか? あの時僕にコロッケパン買ってこいって言ったのてめぇだったのか? ふざけんじゃねぇよボケェ! もう袋なんて良いアル! こ
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