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異世界系暗殺者
格の時間(2016/03/22 一部加筆修正)
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てないかの様に会話を続ける。今喋っているのは磯貝君と前原君だけど、会話の内容が金のことだ。

磯貝君の家庭の事情は知ってるけど、前原君の発想はかなりゲスい。人の良心に付け込んでる感が半端無い。


「そういえば、南っていつも休み時間いないよね?どこ行ってるの?」
「……もしかしたら、あそこかも」
「神崎ちゃん、何か知ってるの?」


女子の方では、南君が休み時間中どこに行ってるかの話をしてるみたいだ。中村さんがそのことについて女子の皆に尋ねると、神崎さんが思い当たる節があるのか、口を開いた。


「えっと、先週の金曜日に偶々見かけただけなんだけど、校庭の端の方で何かやってたよ」


神崎さんがそう言うと、女子全員が教室の窓側に集まり、南君を探し始めた。僕も何となしにそれに便乗する。そして、校庭の端の方を見てみると、南君はすぐに見つかった。

神崎さんの言う通り、何かやってる。少し離れた所から林に向かって蹴り技の練習(?)をしているみたいに見えるけど。そんなことを考えていると、南君が蹴りを放った先、一番先頭にある木が校庭側に倒れてきた。


「「「「「「「「「「!!?」」」」」」」」」」


南君と木の距離から、南君が蹴り倒したとは思えない。どうして倒れてきたんだ?僕らが視界に入れた光景への答えを教えてくれたのは不破さんだった。


「南君。もしかして、牙を使ったの?」
「不破さん?牙って、何?南君が何をしたか知ってるの?」
「茅野さん。漫画の知識として知ってるってだけで、実際見たのは初めてだから断言はできないんだけど……」
「不破さん。仮説でもいいから、分かるなら南君が何をしたのか教えてくれないかな?」
「片岡さん。うん。簡単に言っちゃうと、南君は蹴りで鎌鼬に近い衝撃波を放ったんだと思う。もっと分かり易く言えば、ドラクエのバギとかバギマかな?」
「……それ、凄く分かり易い」
「神崎さん、何か言った?」
「いえ、何も。不破さん、話の続きを」
「う、うん。兎に角、南君はA・T――普段履いてるあの特殊な靴で、風を使った色んな現象を起こせるんだよ。その気になれば、バギクロスみたいな竜巻も起こせるはず。その為の練習を校庭の端でしてるんだと思う。
どういった原理で起きるのかは、GE●でエア●ギアをコミックレンタルして読んでくれたら分かると思う」


この不破さんの発言から、南君のことを知りたいと思った女子によって、駅前のGE●からエア●ギアが全巻姿を消すこととなった。



追記

南君に言い負かされた翌日。ビッチ先生は僕らE組の生徒に謝罪。教師として実践的な会話術を教える様になり、ビッチ先生の愛称で皆に受け入れられた。



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