魔法の世界 1−2
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出会った老人の『孫』としての生活が始まって数週間。
ホグワーツ魔法魔術学校の入学の為、ダイアゴン横丁に訪れていた。
ああ、そうだった。老人の名前は、アルバス・パーシバル・ウルフリック・ブライアン・ダンブルドア。俺が入学する事になったホグワーツの校長である。
因みに、彼の意向により「爺様」と呼ぶようにしている。
その“爺様”から教材費用には充分過ぎる金を受け取り、横丁を散策している途中だ。目的地は三つ。
一つは、衣服店。入学するにあたって、制服の着用は避けられない。俺の体はだいぶ縮んでいるらしく、それを知るいい機会だと思ったのも事実だ。
一つは、動物店。魔法使いの者は、一人に一匹のパートナーとなる動物が必要らしい。猫、ネズミ、フクロウ、蛙などがポピュラーだ。
一つは、杖専門店。杖無しでも困りはしないが、折角魔法使いの為の学校に入学するのだから、杖くらいはこだわりたいと思っていた。まあ、この世界に俺だけの杖があるのかどうかは不明だが...。
「“マダム・マルキン”......ここだな」
まずは衣服店。
制服を仕立てている間に、杖をじっくり選べる時間が出来る。
店内に入ると「いらっしゃいませ」の声と共に、全身藤色の衣装に身を包んだ女店主が姿を見せた。彼女がマダム・マルキンなのだろう。
マダムは俺の姿を見るなり高い声を上げて駆け寄って来た。
「まあまあまあまあ...! ホグワーツの新入生ですか!? なんて白い肌! 白い髪! そして、なんて黒い瞳...! ああっ、腕が鳴りますわっ!!」
「いや、普通の制服でいいんだが......って、聞いてないな」
「ええ、ええ、ええ、ええ...! 勿論、お代は戴きますよ。でも、格安にしておきますわ!」
マダムのテンションはヒートアップし、巻尺やまち針やローブ用の生地までもが宙に浮き、まるで舞っているようだった。
出来上がった物は爺様の処へ送ってもらうように注文し、自分の身長が150cm以下だったことにショックを受けつつも、次の目的地へと足を運ぶことにした。
そうだな...。次は、オリバンダーの店に行くとしよう。
休日でもないというのに、ダイアゴン横丁は人で埋め尽くされている。小さな体では不自由で仕方が無い。
舌打ちの後、指を振るう。
ほんの少しだけ《死神》の力を使う。
目の前で邪魔をする人間達が自然と避けて行く。オリバンダーの店まで道なりにそれが続いていた。
本人達も、周りの人間達も気付かない。いや、気付けない。
「まったく...いい能力だよ」
人混みを掻き分けることもなく、すんなりと目的地に辿り着いた。
「失礼。邪魔をするぞ」
「いら
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