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東方喪戦苦
紅の空。世界が眠る前
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俺は、裕海に向かって走った。いや、瞬間移動と言った方が正しい。

「お前を止めて、この全面戦争を終結させる!」
裕海の鼻先目掛けて拳を振ったが、掌で受け止められてしまった。

裕「本当に僕を止めるだけで幻想郷を救えるとでも?」
裕海は絶えず、冷徹な笑みを浮かべていた。

「何が言いたい?」
俺は拳を引き、ミドルキックを放った。

裕「おかしいとは思わないか?僕が子供の頃、君達二人が合わさっていた時の力は絶大だった筈、それを軽々と越える力で君達を別つ事など、幻想郷の何処を探しても居ない」
俺の蹴りを避けながら、淡々と喋る。
すると、裕海が反撃とばかりに俺の眉間を殴った。

「ぐっ????!」
血が出ている鼻を押さえながら、フラついた脚を叩きいて気合いを入れた。

裕「身体は少しずつ根をあげて来ているぞ?」
俺に近づいて鳩尾の少し上を狙い、掌底打ちを咬ました。

「かはっ??????」
肺の中の空気が全て押し出された様な感覚に襲われ、良くは聞こえなかったが、骨が折れる音がした。

裕「一つ」
俺の攻撃を全て避け、対する裕海の一撃はどれも半端ではない物ばかり、正直勝てる方法が見出だせなかった
そんな事を考えていると、次第に裕海に恐怖感を覚えてきた。この場から逃げ出したいと言う感情まで芽生えて来た。
すると、身体と心は一つと言うのは本当のようで、恐怖による震えが止まらなくなった。
息は上がり、次第に思考力も低下していった。
圧倒的パワー、崩れる事を知らない忌々しい笑顔ーーー。

そんな時だった。
俺の脳裏に聞き覚えのある声が、そっと優しい声で俺に語りかけた。

『骸、俺が命懸けでお前に託したってのに、もうギブアップか?大丈夫、今のお前ならきっとあいつに勝てる。だからこそ俺はお前に託したんだ』

その声は奇妙なほどの安心感があり、恐怖は薄れ、思考力も段々と回復していった。

裕「何????!?」
裕海の笑顔が消えた。
その瞬間、俺は確信した。

「てめえに勝つ!」
俺は裕海の鼻先にヘッドバットを喰らわせた。
裕海の鼻からは血が流れた。

「次の肋骨で、やっと対等だな」
裕海の顔には焦りが見えた。

裕「フッ??????ハハハハハハハハハハハハハハ!」

「何が可笑しい?」

裕「君が僕と対等?出来る筈がない!」

「俺は確信したんだ、お前に勝つって」

裕「戯れ言はこれを無傷でかわせてからほざけ!」

狂変 『皆既月食の紅き月』

真っ赤な光弾が俺目掛けて飛んできた。
空を飛んで避けるが、その光弾は俺の動きに着いてきた。だが、俺はホーミング弾に夢中で四方八方から別の光弾が来ていたのに気がつかなかった。

「しまった!」
そう思った時は既に遅
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