暁 〜小説投稿サイト〜
オズのベッツイ
第九幕その九

[8]前話 [2]次話
「わし等が写真を撮っていいか?」
「はい、別に」
「いいですけれど」
 二人ははっきりと答えました。
「写真でしたら」
「どうぞ」
「それこそ何枚でも」
「是非」
「ただ」
 ここでナターシャはクルマー達の両手を見て言いました。
「クルマーさん達写真は」
「ああ、撮れるよ」
 族長さんがナターシャのその問いにはっきりと答えました。
「そのことは安心していいよ」
「そうなんですか」
「わし等でも慣れればな」
「カメラを使えるんですね」
「そうだよ、こうしてな」
 上着の懐にその車輪の手を入れてです、そこからカメラを出してでした。そのカメラを両手で使ってなのでした。
 族長さんは実際にナターシャを撮りました、その車輪の手を普通の手の様に器用に使ってそうしたのです。
 そのうえで、です。ナターシャに笑顔で言いました。
「この通りな」
「使えるんですね、カメラ」
「この両手で食事も出来るよ」
「そうなんですね」
「こうした身体でもな」
 車輪の手足でも、というのです。
「慣れたら出来るよ」
「そうですか」
「そう、だから」
「カメラも大丈夫なんですね」
「流石に人形とかぬいぐるみを作ることは難しい」
 そうしたことは無理というのです。
「針を糸を使うことは」
「無理ですよね」
「いやいや、車輪の間とかを使ってな」
「針や糸もですか」
「使えるよ、そうして服も作るんだよ」
「ミシンもとかも」
「使うよ」
 族長さんはナターシャににこにことしてお話するのでした。
「苦手でもね」
「ううん、そんなことが出来るなんて」
「ははは、驚いているな」
「オズの国は不思議の国ですから」
 クルマーみたいな人達がいることはわかるというのです、そのことは。ですがこの人達が火を使えるかといいますと。
「ですが針も使えるなんて」
「苦手だよ」
「それでも使えますよね」
「糸もな」
「それが凄いと思います」
「しなければならないことなら誰で身に着けられる」
 針や糸を使わなくてはならないならです、クルマー達も身に着けたのです。
「そうじゃないかい?」
「誰でも」
「だからわし等も針や糸を使える様になったんだよ」
「大変だったですよね」
「うん、苦労はしたよ」
 実際にそうだったというのです。
「これがな」
「そうですよね」
「けれど出来る様になった」
 それはというのです。
「料理とかもな」
「出来るんですね」
「そうだよ、じゃああんた達の写真はね」
「わし等も撮らせてもらうよ」
「是非ね」
 他のクルマー達も言ってでした、そのうえで。
 皆それぞれカメラを出して二人の写真を撮ります、ですが次第に二人だけでなくです。 
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ