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ハリー・ポッターと蛇の道を行く騎士
第二章 賢者の石
第十話 動物園
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ヒョウ、ヒグマなどの動物を同じ高さから観察、上から観察するなど、さまざまな角度から動物を観察したり、空中にせり出したオリにいる動物を真下から観察したりして楽しむ。

「見てみて、肉球! 肉球が見えるよ!!」

「……ほう。……これは、なかなかに斬新」

 ほのかは初めて来た動物園にテンションを上げて走り回り、ふみは動物そっちのけでコーヒーイチゴミルク味のアイスに夢中になっていた。







 しばらくして、3人が爬虫類館に入ると、建物内に響くような大声を出している奴がいた。
 デブった少年が喚き立てているのを不快に思ったエメはそちらの方に注目する。
 止めるべき保護者も防護ガラスをバンバンと叩いているのを見て、注意しようと近づくが、その前にその家族は次へ行ってしまった。
 せっかく遊びに来ていたのにと気を悪くしたエメが蛇のガラスケースの前まで行くと、少年が1人呟いていた。

「君たちも大変だよね。人の都合で起こされたり、沢山の人にジロジロと見られて……僕は物置に隠れられるだけ、マシなのかな」

 なんだコイツと気味の悪い少年を一瞥した後、蛇の方を見ると不思議なことが起こっていた。
 さっきまで寝ていた筈のガラスケースの向こう側にいる大蛇がいつの間にか目を覚まし、少年の方を見つめていたのだ。まるで少年の言葉でも聞いていたかのように、それに返事するようにウィンクまでした。

『シュ、シュー(なに、いつものことさ)』

「キミ、どこから来たの?」

 少年が尋ねると、蛇は器用にもガラスケースの脇にある掲示板を尾でつついた。見ればそこには《動物園生まれ・ブラジル産−ボア・コンストリクター・大ニシキヘビ》と記されているのが分かる。

「そう……じゃあブラジルを知らないんだね」

 コイツ、蛇と会話をしてやがる。魔法使いはこんなことも出来るのかと思っていて、少年の言葉に蛇が頷いたその時、急に二人の背後から劈くような大声が響いた。

「早く蛇を見て! 信じられないことが起きてる!」

「っ!?」

 振り返ってみると、どうやら叫んだのは先程迷惑行為を繰り広げていた少年のようだ。
 そのまま太った体を揺らしながらドタドタと足音を響かせて少年が全力疾走でこちらに突っ込んできたのが見えた。その様子からこのままの状態で立っていると拙いことになると感じたエメだが、咄嗟のことで回避が間に合わず、巨体による体当たりで横にいた少年諸共突き飛ばされた。

「どけよ!」

 ふざけた野郎だと思い、ぶちのめそうと立ち上がったエメの目の前で、蛇を閉じ込めていたガラスケースのガラスがフッと消えてしまった。
 ガラスに寄り掛かって蛇を見ていた太った少年は、いきなり支えを失ったことで前のめりに倒れてケースの内側
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