暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜過ちを犯した男の物語〜
最終話:帰るべき場所
[1/8]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

 ジュエルシードを使い次元振を起こして『アルハザード』へと向かおうとしているプレシアを止めるためにフェイト達は時の庭園に乗り込んでいた。そこは普段とは変わり防衛用の傀儡兵が至るところに溢れかえっていた。取り敢えず、すぐ傍にいる傀儡兵をハンマーで吹き飛ばしながらルドガーが少しうんざりしたように呟く。

「いくら何でも多すぎだろ……なのはの砲撃魔法で一気に吹き飛ばせないのか? なのはなら簡単だろ」
「さすがに、この数は無理なの……それとルドガーさんが私の事をどう思っているか分かったの」
「な、なのはの砲撃魔法はそれだけ一級品だってことだよ! ……たぶん」
「最後にたぶんってつけなかったらユーノ君を素直に尊敬出来たのに」

 軽口を叩きながら戦闘を行う様子からは三人の仲の良さが伝わってくる。そんな様子をフェイトが羨ましげに見ているのに気づいたアルフが指を鳴らしながらやる気に満ちた声をあげる。

「アタシ達も負けてられないよ、ヴィクトル、フェイト!」
「重要なのはプレシアの元にたどり着くことなのだが……まあ、こういったノリもたまにはいい」
「うん…!」

 ヴィクトルは少しため息を吐きながらではあるが近づいてきた傀儡兵を一刀両断することで返事を返す。アルフは満足気に笑い、フェイトも顔を輝かせて彼の頼もしい後ろ姿に続く。だが、そこにストップをかける者がいた。クロノだ。

「ちょっと待ってくれ。プレシアの元に向かうのも勿論だが、この『時の庭園』を止める必要もある」

 自分の言葉に意識を集中させながらも襲い来る傀儡兵をさばいていく彼等に尊敬と呆れの混じった目を向けながらクロノは言葉を続ける。

「この庭園にはそれを動かすだけの駆動路があるはずだ。それを止めれば最低でも足止めにはなる」
「それなら、俺となのはとユーノが行くよ。フェイトは手の届くうちにプレシアの元に行くんだ」
「手の届くうちに……」
「つないだ手は……絶対に離しちゃいけないんだ」

 ルドガーはかつて手放してしまった大切な女性の事を思い出しながらフェイトに語りかける。フェイトもその真剣な目に感じるものがあったのか顔を引き締めて頷く。彼は彼女様子にこれなら大丈夫だろうと確信して背を向けて彼女とは逆方向に進み始める。彼の背中にユーノも続いていくがただ一人なのはだけはついて行かずに、彼女をジッと見つめていたがやがて何かを決心したのか口を開く。

「フェイトちゃん。これが終わったら、私と全力で戦って」
「え?」
「私もフェイトちゃんとの関係をしっかりと始まらせたいの。だから、フェイトちゃんとの戦いに決着をつけたい!」

 なのはの言葉に驚いたような顔を浮かべるフェイトだったがやがてその顔に笑みを浮かべて頷く。

「うん…約束」
「約束だよ!」

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ