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ハッピーライフ(ノベルゲーム)
はじまり(パート2)
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優斗「お、おはよー……ハア、ハア」
海人「おはよー優斗」

俺の親友海人は、手を振る動作をし挨拶してきた。

海人「その様子から見ると、今日もお母さんの件で遅刻寸前になったんだな」
優斗「まあ、ハア、そういう感じ、ハア、かな」
海人「今は答えなくていいから息を整えな」
優斗「うん、そうすることにするよ」

俺はお母さんに論破できなかったことを悔やみながら数回深呼吸し、落ち着かせる。
今日のようなことが何回起こったのだろうか。
五回?いや、六回かな?
何回か覚えていないということは、もう数え切れないほど起こったんだろう。

優斗「どうやったらお母さんを説得できると思う?」

俺は親友海人に助けを求めた。
海人は昔からの大親友で、お互いの親同士も、仲がいい。
海人とは毎日一緒にいて、毎日話をし、毎日歩きながら下校する。
いわゆる、腐れ縁っていうやつだ。
海人は一番俺の気持ちを分かってくれて、一番頼りになる親友。
困ったときや辛いときなどあったら、すぐさま海人に相談をするという、まさに頼りになる存在。
海人がいなかったら今の俺はいなかっただろう。


海人「んー、それは難しい問題だなー」

喉を唸らせながら目を瞑り、考え込む海人。
俺はその様子に期待を膨らみながら待つことにする。

海人「いい方法がひとつあるかな」
優斗「お、それは一体なに!?」

目を開き、得意顔になる海人。
そして誇らしげな笑みを浮かべ、思いもよらない作戦を言い出した。

海人「目覚まし時計を一つだけ時間設定するのではなく、五十個以上用意すればいいんじゃない」
優斗「五十個以上!?」

俺は驚き半分、期待半分の二つの感情が入り混じりながら、そうオウム返しに言う。

海人「実は俺、うちのお父さんが昔、目覚まし時計のマニアらしくて、今はもう飽きたらしいのか倉庫の中に五十個以上あるんだよね。だから、今日俺がお父さんに頼んでやろうか?」

優斗「え、お前のお父さんが目覚まし時計のマニアなんて、初めて耳にしたよ……」

というか、五十個を寝室で時間をセットしたら、鼓膜が破れる気がするが……まさに爆発音以上の音がでると思う。もう核兵器だよ。

海人「目覚まし時計が五十個も部屋に鎮座していたら、お母さんは絶対に驚いて尻餅をつくぜ」
  「そして、目覚まし時計の多さにセットを回避することが面倒くさくて、最終的には諦めてくれる!」
  「そう思わないか、優斗?」

自信満々な顔で饒舌になっている海人に少し気後れしつつ、俺はこくりと頷く。その瞬間海人はバシッと手を差し伸べてきた。

海人「これから、お母さん戦略同盟でも組もうじゃないか」
優斗「うん、任せたぞ」

(効果音)タッタラタッタッター。

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