暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
sts 08 「放たれた1発」
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囮になっていたであろうスバルの姿がある。
 スバルは自分に向かってきている魔力弾に気が付いたようだが、彼女の移動速度と魔力弾の速度から考えて避けることは不可能。魔法で防ぐのもタイミング的にシビア過ぎる。

「ど……りゃあぁ!」

 ギリギリのタイミングで間に割り込めたあたしはアイゼンで魔力弾を叩き落とす。それは行動不能になっていたガジェットが3機密集している近くに落ちる。
 直撃したわけではないのに衝撃でガジェットが吹き飛んだことを考えると、スバルに当たっていれば掠り傷で済んだ可能性は極めて低い。

「ヴィータ副隊長……」
「ティアナ、このバカ! 無茶やった上に味方撃ってどうすんだ!」

 ティアナの顔には動揺の色がはっきりと確認できるだけにわざと撃ったわけではないのだろう。しかし、だからといって許される行為ではない。

「あのヴィータ副隊長……あの、今のもその……コンビネーションの内で」
「――っ、ふざけろタコ。直撃コースだよ今のは!」
「違うんです! 今のは私がいけないんです、避けて……」
「うるせぇバカ共!」

 こっちはてめぇらより戦闘経験があんだよ。さっきのはどこからどう見てもティアナの誤射だ。というか、ここでてめぇがあいつを庇っても逆にあいつを苦しめるだけだっつうの。優しさってのは時として相手を傷つけるもんなんだから。
 いや、今はこんなことを考えてる場合じゃねぇ。
 これ以上こいつらに戦闘させるのは危険だ。今のはどうにか防ぐことが出来たが、またないとも言い切れない。戦力的に考えると嫌だが、動揺のある人間を戦場に置いとくほうが危険だ。

「もういい、あとはあたしがやる。ふたりまとめてすっこんでろ!」

 あたしが本気で怒っているのを理解したのか、スバルもそれ以上は食い下がってこないでティアナと一緒に後退していった。
 嫌な出来事があったばかりで思うところもあったが、あのふたりが戦闘から外れたことで安心できる部分もあった。それだけにその後の戦闘はこれといった問題もなく推移し終了を迎える。

「おーし、全機撃墜」
『こっちもだ。召喚師は追いきれなかったがな』
『だが居ると分かれば対策も練れる』
「だな」

 次回からは今日みたいにバタバタする場面が減る分、対応もスムーズになるだろう。
 とりあえず一段落したこともあって意識を他に向けてみると、エリオとキャロが近くに立っていた。だがスバルとティアナの姿は見当たらない。スバルはまあともかく、ティアナに関しては聞いておくべきだろう。

「おい、ティアナはどうした?」
「あっはい、確か裏手の警備に行ってます」
「スバルさんも一緒です」

 スバルの性格的に優しい言葉を掛けそうだが、ティアナの性格を考えると逆に苦しみを感じる可能性が高
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