sts 08 「放たれた1発」
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て、腰周りにはさらに5本の剣を装備している魔導師なんて滅多にいないため見間違うはずもない。コールサインはロングアーチ07、今では特殊魔導技官なんて珍しい肩書きを持っているショウ本人だ。
「人にあいつのこと気に掛けてくれって言ってたくせに。普通は付いとくもんだろ」
「お前達で対応できるか心配だったんでな」
「バカ言ってんじゃねぇ」
本当は戦闘させたくないからこの場で全滅させてしまおうって考えたんだろ。シグナムに知られたら間違いなくお前も過保護だな発言されるだろうぜ。
「まあ来たからにはちゃんと働きやがれよ」
「当然だ。そっちも討ち洩らすなよ」
「たりめぇだ」
そこで会話を打ち切って、あたしは先ほどまでと同じ地上付近を移動しているガジェットT型へ攻撃を開始する。空戦型であるガシェットU型はショウに任せることにした。理由としては、騎士と同じくらい武器を扱えるがショウは魔導師。ベルカ式のあたしより射撃戦はお手の物だ。
それぞれの役割をこなしていっていると、ガジェット達に何かぶつかった気がした。機動もこれまでと違うように思える。芽生えた疑問を解消するために《シュワルベフリーゲン》を放ってみると、直撃コースだったにも関わらず回避されてしまった。
「急に動きが良くなった……」
「自動機械の動きではないな」
敵からの反撃を回避して上昇してきたであろうシグナムの発言を肯定するかのように、シャマルとロングアーチから召喚師の存在が伝達される。
「ヴィータ、お前はラインまで下がれ。敵に召喚師がいるなら新人達のところへ回りこまれるかもしれん」
「そうかもしんねぇけど……」
急に動きが良くなったガジェットU型にショウは多方向から攻撃されている。見事な空中機動と剣捌きで直撃はもらってはいないみたいだが、はたから見た場合押されているようにも見える。
気持ちが顔に出てしまっていたのか、戦場では基本的に硬い表情のシグナムが笑みを浮かべながら話しかけてくる。
「案ずるな、私に任せておけ。それに……あいつはそう簡単に負けるような男ではあるまい?」
「……そうだな。分かった、こっちは頼んだぜ」
フォワード達の方へ戻ろうとした瞬間、遠目にだがショウと視線が重なった。念話といった魔法を使ったわけではないが、確かな意思疎通が行われる。
――あいつらのことはあたしに任せとけ。だからそっちも墜ちるんじゃねぇぞ
――ああ、もちろんだ。
このようなことが出来たのは、長年の付き合いによって築き上げられた信頼と絆が為せる業だろう。人前で口にするとからかわれる可能性が高いので胸の内に留めておくが。
全速力でフォワード達の元へ戻っていると、召喚師の姿を確認しようと動いていたリインが小さな銀色の虫に襲われているという
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