「林間学校C」
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夕食の時間になった。大食堂の広間に行くと僕はびっくりした。だって食事がずらっと並んでいるのだから!全クラスで120か、130人分だ。
そうそう思い出した。これだけの人数がいると物凄く騒がしいのだが、食べる時だけシーンとなり、2、3人で食べるくらいの静けさになったので、先生たちは大受けして笑っていた。何を食べてたか定かではないが、もうあの雰囲気を食べてお腹いっぱいになった記憶がある。
部屋にもどったら、寝るまでは自由時間だった!!トランプや花札、ボードゲームを楽しんだ。靴下丸めて、キャッチボールしてた奴もいた!友達のネギは、もちろん、あのルーレットを持ってきていて、名ディーラーぶりを発揮していた。
ふと見ると、まだまだお腹がへっていたのか、カミの奴は、おやつをほおばっていた。
寝る時間になった。
「消灯!」
と、言って先生がやってきて、電気を消しながら…
「明日は6時に起床だから、早く寝るように!」
と、言った。と言わてたって楽しくて寝られない!!わーい、わーいだ!!そんな事を学校側はよく知っていたのだろう、騒ぎ始めてきたという時に、あの人の登場だ!!
「風景の写真を撮っているとね、知らない間に足が進んでいってしまってね、気付かないうちに墓場に来ている時があるんだよ……」
キクちゃんは怪談話を始めた。自分の体験話しから、有名な怪談話(小岩さんなど)や怖い昔話しを、身振り手振り合わせて聞かせてくれた。
「その時、頭の上から、巨大な手が……」
と、言うと本当に天井から手がおりてきて、つかまれちゃうんじゃないかと錯覚した。キクちゃんを中心に子どもたちが集まる。暑いのに布団にくるまりながら聞いている奴もいた。どの話しも、ものの数分間、長くても10分くらいだったが物凄く長い話しに感じ、世界にどっぶりと浸っていた。
当時の学校も、ナカナカ粋なはからいをしたものだと思う。山登りで体はクタクタ、怪談話で心もクタクタで、気持ちよく眠りについた。
そうそう、夜中に起こされる、「ヨネのパンツ事件」以外は、朝までぐっすりだった。
つづく
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