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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第十七話 全の実力
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かなかったのだ。当たっていて当然だと思っている。

「クロノ!もういいんじゃないか?早く神楽院を連れて行かないと」

『そうだな。それじゃそっちに』

と、クロノが聖の勝利を宣言しようとした瞬間



















「がっ!!!!????」

聖の頭にこれまで感じた事もないような衝撃が走る。

聖の前にいたのは……後方回転をしながら聖の頭にオーバーヘッドキックを喰らわせている全だった。

そのまま、聖は勢いよく地面に激突。後方回転を繰り返しながらも、綺麗に着地した全。

「ふぅ、上手くいった……」

『まったく。冷や冷やしましたよ、マイスター。ここであの技の勘が鈍っていないか試すなんて』

「大丈夫だろ。結果的に勘は鈍ってなかったんだし」

そう、今の全の技は前世で暗殺者をしていた頃編み出した暗殺妙技『星崩(ほしくず)し』という名前の技だ。

原理は至って簡単。()天井(・・)()()()()()()()()()()()()()()()()()

というのも、全自身に暗殺者としての素質がまったく無かった為、色々な手段を用いらなければ仕事が出来なかったのだ。

だからこそ、血のにじむような努力を重ねて暗殺妙技を作った。

この星崩しはその暗殺妙技の中でも必中率という確立においてならばピカ一を誇る程の奇襲にはもってこいの技だ。

それもそうだろう。誰が天井からの奇襲など予想しようか。それも先ほどまで目の前にいた敵が、である。

そんな超人のような技も一重に全の努力があっての技であり、全の努力が実った結果でもあるのだ。

「さて、もう終わりだろうし。そろそろ出て『マイスターっ、高宮が起き上がりました!?』……ほぅ?」

全は感心しながら聖が落ちた場所に向かい合う。

そこには、確かに聖が立っていた。

しかし、その目は焦点が合っていない。おそらくは意識を失ったままなのだろう。

「僕が負ける筈がない……僕は主人公なんだ……負ける筈がないんだ……こんな、踏み台なんかに……」

意識が戻っていないせいか、支離滅裂な事を言っている。

もちろん、全はその言葉に興味も向けなかった。

そして、シンからの言葉に少し動揺する。

『マイスター、高宮は魔力を集めています!このまま、砲撃を放つ気です!急いで退避を!』

「ああ、わかっている。しかし、こんな狭い所でそのような物を……!?」

振り向こうとした瞬間、全は気づいた。自身に向けられた視線に。そしてそれが……










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