第156話
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ようやく、私の計画が始まる。
これはその第一歩!)
正直、抑止力が発動するかと思っていたがその気配はない。
バルドは目の前の自分の腕の何倍もの太さの鎖に手をかける。
魔術を唱えて、一気に鎖を引き千切る。
一つの鎖が引き千切られると連鎖するように他の鎖も千切られていく。
今までの扉とは一線を分けていた。
その扉には大きな紋章とその中心には人が描かれていた。
人を中心にして天使のような形をしたモノや北欧神話の神々。
他にも様々な神話に出てくる神などがその人を中心にして崇めるように描かれている。
その中にもちろん人間もいた。
まるで、中心にいる人と人間は別のようだった。
扉にバルドの両手がかかる。
ドアノブははるか上空だが、掌で押すと扉は内側に動き出す。
(ようやく・・・ようやく・・・ッ!!)
歓喜の笑みを浮かべ、内側から漏れる光に身を任せようとした時だった。
バルドの左手首を突如、横から掴まれる。
すぐさま手首を掴んだ人物に視線を向けた。
そして、息を呑んだ。
その人物は黒い髪に腰のあたりまで伸びていた。
足首まで伸びた蒼いコートに特殊な紋章が描かれている。
手には黒い革のグローブにも同じような紋章が描かれている。
蒼いコートの下には黒い服にズボンはジーンズを履いている。
彼女はバルドに告げる。
「させない。」
その一言と同時にバルドの手首を掴んでいる彼女手から蒼い光が発生して、その光がバルドを呑み込んでいった。
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