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SAO編−白百合の刃−
SAO23-冷女の温度
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 裏四十五層の主街区『アルブス』
 一見たいしたことのない赤レンガで建築された家並みが並ぶ街。四季関係なく、年中雪が降るために別名『白の街』と言われている。白と赤レンガの紅白の色合いは、クリスマスを顕治((けんじ))させる光景である。
 そのため、一部の人からは毎日がクリスマスを味わえる街だと例える人からは好かれ、嫌っている人もいるそうだ。
 午後三時、私は『アルブス』のシンボルである巨木のモミの木で待ち合わせしていた。本来なら、さっさとフィールドダンジョン『デットマウンテン』に登って、カタナの素材を入手して帰りたいのだが……約束を破って置いて行くほど、私は落ちぶれていない。
 というか、約束を破ったら、後でいろいろとうるさいことを言われるし、めんどくさいことになるので、最小限に抑えるのだったら、約束通りに従ったほうがまだマシだ。

「お待たせドウセツ!」

 正面から手を振り、リズベットと共に寄って来るアスナを視界が捉えた。

「リズベットも来たのね……」
「なによ、来ちゃ行けないわけ?」
「えぇ」
「ストレートすぎるわよ! もっと言葉を選ばないの!?」
「リズベットに言葉なんか選びたくない」
「なんだとー!」
「二人共落ち着いて!」

 アスナに制止させられた。「ケンカしないで」とアスナに注意されるも知ったことではない。私と一緒に行くことを知っておきながら、言葉も行動も宣言させられるのは、贅沢極まりない。嫌だったら帰ればいい話だ。

「つかさ、あたしのことはリズベットじゃなくて、リズでいいわよ」
「嫌よ」
「なんで!?」
「なんでリズベットにそんなこと言われなきゃならないの?」
「逆になんで、リズって呼ぶことを嫌うのよ!」
「言ったでしょ、嫌だから」
「なんだとー!」
「二人共仲良くして!」

 アスナはなにか勘違いしているようだが、私は別に仲悪いわけではない。ただ、仲良くしたくはないだけ。そうアスナとリズベットに伝えると、リズベットは怒りだし、アスナはおでこに手を当て呆れていた

「もう……それじゃあ、長の家に行ってフラグを立てに行こ」

 アスナを先頭に私達は『アルブス』の長に足を運んだ。
 この街の全てに雪が降るため、より尖った三角系の屋根が設立されていて、屋根に雪が積もることなく滑り落ちるよう建築されている。詳しくは知らないが、合掌造(がっしょうづく)りのようになっている。
 そんな中、一つだけ赤レンガのドーム型の家がある。そこがアルブスの長の家であった。

「ねぇ、アスナ。あれかな? あのドーム型の家」
「あの家だけ形が違うもんね。うん、間違いないよ」

 アスナ、リズベットに続いて私もドーム型の家に入る。予測違い、なんてことはなく、アルブスの長のNPCと出会い
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