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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第1章生い立ち 幼年期〜青年期 そして入隊:第12同盟軍基礎訓練所での日々 前半
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 亡命後はハイネセンポリス郊外の第22宇宙軍駐屯地の士官住宅に私は住んでいた。
叔父のケーニッヒ中佐は第7艦隊司令部参謀第4課後方支援副参謀長として勤務していたが、宇宙歴780年私が7歳の時にエル・ファシル星系での物資輸送任務主任責任者として第7艦隊第113後方支援隊への派遣任務中に敵の巡洋艦・駆逐艦群に攻撃され、後方支援隊を先に離脱させ護衛駆逐艦10隻のみで後方支援隊離脱の時間を稼ぐために抵抗し戦死した。
 死後この勇気ある行動に対して2階級特進で同盟軍准将に昇進し、殊勲十字勲章、第1級勲功章、名誉負傷勲章が授与された。のちに知ったことであるが、この時の叔父の勇気ある行動は同盟軍最高勲章である自由戦士勲章を授与される基準であるにもかかわらず同盟軍はこれを行わなかった。これは後々に私たち帝国亡命者たちが受ける迫害の一端でしかなかったが・・・
こうして私は完全に孤児になってしまった。
その後戦災孤児養護施設という0歳〜15歳までの戦災孤児を収容するための刑務所のような劣悪環境に放り込まれ、私自身7歳〜10歳までをここで過ごすことになる。
15歳までの残りの5年間はどうしたか?
私は施設での虐待、暴力に耐えきれなくなり脱走した。
盗み、すりなどの軽犯罪は毎日のごとくやった。やらなくては生きていけなかった。
私は、叔父から聞いた父の無念、濡れ衣、命を懸けたモールス暗号文、私を守るために私の盾になった母、今どこにいるかも知らない兄、そして私をわが子同然にかわいがってくれた叔父のことを思うとどんなに寒くても、どんなに暑くても、どんなに苦しくても生きていくしかなかった。いや、生きなくてはいけなかった。
そして、
私は14歳の春宇宙歴787年、1歳年齢を偽り自由惑星同盟軍に2等兵として入隊した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「エーリッヒ・フォン・シュナイダー 2等兵!!」
「はっ!」
「貴様、帝国亡命者だな!!」
「そうであります! 軍曹殿!」
「貴様のようなものがいるから、この教練中隊の空気がたるんでんだよ!
この虫屑野郎が!」
横蹴りを一発くらう。
よろけるが、立ちなおす。
「この虫野郎! 人間面してんじゃねぞ!」
鼓膜が破けそうなくらい近くで怒鳴られる。
今度は右ストレートだ! 来る・・・!!
なんていうのは日常茶飯事であった。
私は第12同盟軍基礎訓練所の第2教練中隊で2等兵として基礎訓練を受けていた。
ここでは、教官からの暴力は日常であいさつと同じくらいふつうであった。
特に同盟からの亡命者である私含めた7名は平均の3〜4倍多かったはずだ。
それでも、くじけるわけにはいかなかったし戦闘訓練、学科、体力では死んでも負けるわけにはいかなかった。
この反骨精神のおかげで成績は上から2または3番目だったし、教練中隊で
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