暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
アイングラッド編
紅き剣閃編
The Crimson Sword Line ―紅き剣閃
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話




ほんの数ドット残ったのだろう、ラグーラビットはダッシュで逃げ出した。

「ああ!?」

キリトがガクッと肩を落とすが俺は既に飛び出していた。

「逃がすかっ!!」

その声に驚いた訳ではないかもしれないが、ラグーラビットは一瞬こっちをみて恐怖のあまり足を止めた――ような気がした。

人間の3大欲求の1つ食欲の前ではアインクラッド最速の逃げ足を持つモンスターも、もはや逃げる術がなかった。
















「…………」



帰り道の思わぬアクシデントで変なテンションになったせいで体が非常にだるかった。
問題のSレア食材《ラグーラビットの肉》は食べたいのはやまやまだったが俺もキリトも料理スキルは皆無だし、誰かに頼むとしても当ては無いことも無いのだが、わざわざ会いに行くのも面倒だ。

主に今隣をホクホク顔(金には困ってないので肉は譲った)で歩いているやつが居ると。

だが、俺も鬼ではない。取り合えず《あて》にキリトがアルゲートの某ぼったくり商店に行くことを知らせて、やれやれと空を仰ぎ見る。

50層で最大の都市アルゲートは全ての街でもっとも猥雑な都市だ。怪(妖)しい店やレストラン(例のアルゲートそばなど)、さらにはNPCもそういうやつらが多い。

俺達が行こうとしてるのは物好きにもそんな場所で店を構える好事家のところだった。















「よし決まった!《ダスクリザードの革》20枚で500コル!」



安っ!?

ダクスリザードの革は高性能な防具の素材となるので、500コルはいくらなんでも安すぎだ。素材を売り払った槍使いのお兄さんは首を傾げながら店を出ていった。
俺達は入れ替わりに店に入り、店主に声を掛ける。

「うっす。相変わらず阿漕な商売してるな」
「よぉ、キリト。と、レイか。安く仕入れて安く提供するのがウチのモットーなんでね」
「後半は疑わしいもんだなあ」
「少なくとも俺はお前に安価で物を売られたことはほぼないんだがな?エギル」
「そりゃ気のせいだ。で、今日は何が入り用だいお2人さん」
「こいつの買取り頼む」

キリトが提示したトレードウィンドを見て驚きの声をあげるエギル。普段は厳つい顔をしているが、表情を変えると印象も変わる。すなわち、さらに恐く。

「おいおい、Sレアアイテムじゃねえか。《ラグーラビットの肉》か、俺も現物を見るのは初めてだぜ……。キリト、おめえ別に金には困ってねぇんだろ?自分で食おうとは思わんのか?」

「思ったさ。多分二度と手に入らないだろうしな……。ただ、こんなアイテムを扱えるほど料理スキルを上げている奴なんてそうそう……」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ