第十一話:二刀流/是、射殺す百頭
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君」
「アスナも十分強いさ。正直、最後の連続刺突を防げたのは運が良かっただけだからな」
「とか言いつつ、今まで俺達は一度もお前に勝てないんだけどな」
「負けるのは癪だからな」
こうして三人が変則デュエルをするのもこれで十度目だが、これまでの戦績は全てレンの勝利に終わっている。
こう見えて極度の負けず嫌いなのがレンという男だ。気乗りはしなくても、勝負ならば勝つために全力を尽くす。
「それで、今日はなんの用だ? わざわざデュエルだけしに来た訳ではないんだろう」
亡霊王を倒してから数日、無事に第73層攻略作戦を終えたレンはちまちまと迷宮区のマッピングを行っていた。今日も今日とて絡んでくるユメを躱して迷宮区へ籠もろうと家を出たところで、キリトとアスナが訪ねてきたのだ。
「話が早くて助かる。実はちょっと手伝って欲しい事があってだな」
「なんだ、面倒事か?」
「まあ、そんなとこだよ」
† †
場所は変わって迷宮区へと続く森の中。アスナ、キリト、レン、そしてユメの即興パーティは灌木の茂みの陰で隠れていた。
目立ち易い白と赤の団服のアスナにはキリトが自前のコートをかけ、白統一装備だったレンも今は濃紺の装備を身につけていた。ちなみにユメは元々青い装備のため特に羽織る必要もなくレンの隣に腰を降ろしていた。
彼らの眼下にある道では、十二人のプレイヤーが二列縦隊で行進していた。
「軍か…」
彼らは『アインクラッド解放軍』。第一層に居を構える大ギルドだが、ここしばらくは攻略活動を潜めていた。しかし噂によればここに来て活動を再開したという。それがどういった目的なのかは定かではないが、長らく最前線を離れていた彼らがいきなり未踏破層に来て大丈夫なものか。
重厚な鎧が擦れる音が遠ざかる。知らず、潜めていた息を大きく吐き出して茂みから出る。
「さて、ここに何の目的があるのやら」
「ひょっとしたら……ボスモンスター攻略を狙っているのかも…」
各層に必ず出現し、最上を目指すプレイヤーを阻む最大の敵。恐ろしく強いが、なるほど。確かに、ボスモンスターを倒せたならば話題性は抜群だろう。
「それであの人数か…でもいくらなんでも無茶だ。七十四層のボスはまだ誰も見たことないんだぜ。普通は偵察に偵察を重ねた上でボスの戦力と傾向を確認して、巨大パーティを募って攻略するもんだろ」
「ボス攻略だけはギルド間で協力するもんね。あの人たちもそうする気かな……?」
「…なにはともあれ、進んだほうがいいと思うよ。正直、キリトとアスナの甘ったるーい空間を見てると砂糖吐きそうだし」
「同感だ」
ユメの言葉にバッ、と離れる二人。よく見なくても顔は
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