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モンスターハンター 龍の力と狩人たち
第一章 目覚めるその力
第一話 空にて、到着直前。
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言葉にガクリと崩れた。
「一時間じゃ大して問題ねーじゃん……」
「随分と余裕だね……。準備は出来てるのかい?」
 銀髪のその質問に「そりゃそうだろ」と、黒髪は返す。
「そうじゃなかったらこんな余裕かませねえよ」
 そう言って一つ伸びをしてから、窓の方へと歩いていく。

 この二人は共にモンスターハンターである。ハンターとは、自然界と人間とのバランスを保つためにある職業で、その職務は常にハンターズギルドという、ハンター達を総括する機関に管理されている。
 自然界を闊歩する生物たち──モンスターの中には、人間に危害を与えるものも多い。そこでハンター達はそういった増長した危険なモンスターを狩り、人間と自然のバランスを取る役目を担う。
 その様な危険な役割を持つが故に、ハンター達は英雄の様な存在となっている。また、成功者が得られる富や名声は計り知れないものがあり、それもモンスターハンターという職業が人々の憧れの職業の一つである要因だろう。無論その役割は危険極まりなく、死亡者も多い。成功すれば英雄、失敗すれば死もあり得るという、志望者も死亡者も多い職業である。
 そんな彼らは現在飛行船の中にいる。
 当然ながら、この二人の他にも飛行船に乗っている者はいる。乗組員だけではなく、彼らの目的地に用がある人々がこの船を利用しているのだ。──と言っても、二人を加えて十人もいないのだが。更に言えばハンターはリューガ達二人の他にはいない。この乗客の少なさの原因の一つにはチケットの価格がある。
 この世界の人々にとっては、人間が空を飛ぶことなど少し昔には考えられない事であった。その常識が気球や飛行船の発明によって覆されたのはつい最近のことである。更にこうして民間で使われるようになったのは数年前からの事。当然、そんなつい最近発明されたような代物の利用が庶民にできるはずがない。こうして二人が搭乗できるのもその実績と資金の豊富さによるものだ。
 黒髪の男の名はリューガ・マエンバー。銀髪の男はジーノ・バルバーリ。どちらも実績、実力共にあるハンターである。特に年上のジーノに関しては、各地の大都市でも良く名が通る高名なハンターだ。その実力と……少年さながらの外見によって。

 リューガは窓から地上を見下ろす。普段は全体を見ることなど高台が無ければとても叶わない森が──尤も、今彼が見ている森を彼は一度として地に足を付けて見たことは無いが──小さく見える事に少々感動すら覚えながら、黒髪は至るところを見回していた。少し遠くでは、大きな湖が青空を写して青く煌めいている。空を、地を、森を、山を、湖を、リューガは子供の様に興味津々に見回していた。
 そしてその時、彼は何かが近付いてきたことに気付いた。赤色の何かが。
 リューガの首が止まる。各所を眺めていた目はその近付いてく
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