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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていた。
第十六話
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動してくれると確約してくれたし、ナチュルには本当に助けてもらってばかりだ。
 彼女の夢も応援したいし、何かと素材や資金についてやらないといけないことが私にはある。よっしゃ! 今日は格上としか戦ってないからステイタスの伸びしろも尋常じゃないだろうし、明日あたりはもっと足を伸ばして十八層までソロで行けるようにしよっと!

 ん、そうそう、十八層だけど、大丈夫なのかな? 【ロキ・ファミリア】がいたから問題ないとは思うけど、あの量だ、物量作戦とは規模が大きければ大きいだけ少数派を圧殺できる。いくらリヴェリアの魔法が強力と言えど、それだけ長い詠唱式と膨大な魔力を使わなければならない。かなり苦しい状況だったのではないかな。アイズもいたことだし負けたとは思えないけど、心配でもある。研鑽ついでに様子見もして来よう。

 ……何だかベルも気になってきたな。やっぱり十八階層の異変は、異変の一言で済ませちゃまずい気がする。今日私が直接二十階層まで降りて確かめたけど、やっぱり前世の記憶と合致しない部分が少しだけど見られた。ダンジョンは生きているという俗説に則っていうならば、ダンジョンの中は体内で、冒険者は病原菌のような存在だ。病原菌が蔓延れば体内に異常が生じる。人体で言うなら腫瘍とか癌のように、何かしら変化が起きる。その変化が十八階層だったと考えるならば、他の階層にも皺寄せがあると睨んで当然だ。その皺寄せがダンジョン内の僅かな変化に繋がっているとすれば、中層に限った話ではなくなり深層や上層にも及ぶかもしれない。
 
 杞憂であってほしいなぁ、と思考を打ち止めしながら今日もバベルに足を運ぶのだった。
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