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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていた。
第十四話
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間の次産間隔(インターバル)で出現する怪物である。前世で何度も迷宮の弧王を倒してきたとはいえ、半分くらいは己のステイタス頼りの部分があったから成功していたわけで、今の私に成す術はない。いや、あるんだけど、それを使うと後々面倒だから避けれるなら避けたい。
 即断即決大雑把のナチュルが考えなしに通り抜けようとしているのではと思ったけど、冒険者として最低限の情報は集めてあったらしい。良かった本当に良かった。

 カツンと爪先に当たった石が転がる音が暗闇に吸い込まれ、王の復活を待ちわびるような静けさが辺りいったいを包んでいた。
 間の主がいない空間にはミノタウロスを始めとしたモンスターたちが広大な空間にのさばっていた。

「どうしましょう、これら全部倒すのは流石に無理くさいのですが……」
「ま、倒さなくても良いんじゃない? 確かこいつら、階層主の代わりに出現するモンスターだから階層を移動することはなかったはずだし」
「それ以前の問題ですよ、ここ抜けるのにどうするんですか」
「突っ切れるわよ。こう、上手い具合にちゃちゃっと」

 だめだ、やっぱりナチュルはナチュルだった。私というお荷物のステイタスを度外視してる……。一応敏捷は以前より高くなってるけど、結局レベルの高い相手のほうが高いオチだ。上手い具合にちゃちゃっと出来る自信がない。

 さてどうしたものか、と思っていたところで、背後から複数の足踏みの音が聞こえてきた。振り返ってみると、暗闇の奥から金色の光が見えてきて、数秒も経たないうちにその姿が露になった。

「……レイナ?」
「あ、アイズ」

 オラリオ最強の女性冒険者が登場なすった……。唐突の再会にお互い目を丸くして驚いていると、アイズの後ろから次々と彼女の仲間が現れる。

「あれ〜! ロキにナンパされてた子だ〜!」
「いえ、ですからナンパされてないです」

 片手に大双刃を持ったアマゾネス─確かティオナだったはず─が顔を見たと同時に快活に声を掛けてくる。私は何回ナンパされてないと否定すればいいんだろう……。
 彼女の隣には姉のティオネ、一目で超高性能と解る杖を持った二人のエルフの女性、金髪の小人族の少年が続き、ベートとドワーフのおじさん─名前聞いてない─を除いた【ロキ・ファミリア】の先鋭部隊が集結した。

「どうして皆さんここに……?」
「それはこっちのセリフだよ〜。どうしてキミがここに来れるの?」
「それはナチュルさんに連れてきてもらったからです」

 手でナチュルを指し示すと、【ロキ・ファミリア】の面々を前に驚いたように唇を窄めているナチュルがリヴェリアのことを凝視していた。
 リヴェリアもまたナチュルのことを見つめており、しかしお互い声を掛けることなくふと目線を逸らした。

「ん、どうも
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