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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン25 邪魔蠍団と正義の誓い
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「ねーねー、そろそろこのままじゃまずいと思うんだよね」

 僕が十代にそう言ったのは、ラーを倒したその日の夜だ。レッド寮の貧乏っぷりをよく知っている隼人がオーストラリア名物というカンガルー肉をわざわざ手土産に買ってきてくれたので、その僕にとっても未知の味をどう調理しようかと試行錯誤しながらのことである。

「おう、どうしたんだよ急に」
「いやさ、光の結社の話なんだけど。あ、ちょっと塩とって塩。そこの棚にこないだ詰め替えたのが放り込んであるから」
「おう、これか?それで、なんでまた光の結社が?」
「センキュ……うわ、十代これ砂糖!これじゃなくてその隣の瓶取ってくれる?ほい、ありがと。それで、さっきの話だけどね?今日の昼、久しぶりに葵ちゃんが店まで来たんだよ」
「ふーん。それで?」
「別に用事自体は大したことなくてさ、今朝僕が見つけた鮫島校長について詳しく聞かせてくれ、ってやつ。で、それは別にいいんだけど。なんか後で思い出してみてふと気づいたんだけど、僕ったらフツーに葵ちゃん相手に喋ってたんだよね。ほら、翔から聞いてない?僕が一時期光の結社相手にやたらめったらデュエル売りまくってたバーサーカーソウル状態だったって話」

 十代も覚えてるでしょ?と言いそうになったが、あの時期の十代はエドに負けたショックで海のどこかをさまよった末に木星だか土星だかでネオスペーシアン一同と出会うというなんだかよくわからない体験をしていた時期だったことを思い出す。下手に追及してまた自分の負け試合のことを思い出させるのは忍びないのであの時期のことは僕の方からはあまり聞かないでいたけれど、十代なら翔や剣山辺りから僕のことを聞いていてもおかしくはない。
 案の定ある程度のことは聞いていたらしく、ああ、と頷く十代にそのまま語りかける。

「あの時はちょっといろいろあったとはいえ、あんなに憎んでたのにいつの間にかそれに慣れてきちゃってるんだなぁ、って思ってさ。僕が一番怖いのは、このままなんとなくの流れでずるずる毎日やってくうちに光の結社そのものに完全に慣れきっちゃって、あんなもんがあるのがおかしいって考えがうすーくなることなんだよね」
「ふーん。なるほどなあ、お前らしい悩み事だな」
「褒めてるの、それ?」

 どっちともつかなかったので聞いてみたが、どうも本人は特に何も考えず思ったことをそのまま口に出しただけらしい。まあ、そこも十代らしいっちゃ十代らしい。

「んー、あと5分ぐらい煮込んだらごはんね。それで、どうしたらいいかな?十代はなんかアイデアある?」
「お、ようやくメシか!……でもさ、清明。そうやって考えるより前に、俺たちは全員デュエリストなんだ。だったら、デュエルをすればきっと分かり合える。そうだろ?」

 ああ、まったく。十代は実にいつも通
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