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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第21話:ツワモノの物語……それは色事?
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と簡単に看破され、リュカ様に嘘の吐けない私は全てを話してしまった。

忠誠心を疑われ激怒されても仕方ないのに、優しいリュカ様は『じゃぁ僕が一緒に行って説得してあげる。それでダメだったら、プックルは彼女と一緒に生きた方が良い。寂しいけども、それが一番正しい選択だよ』と言って、リンセと合い説き伏せてくれたのだ。

リュカ様の力を持ってすれば、人間嫌いのリンセですら簡単に口説き落とされる。
同族の私があれほど苦労した彼女を、出会って数分で手懐けたリュカ様……流石だと思う一方で、ヤキモチを焼いてしまう狭量な私が居る。

私の気持ちを知ってか知らないでか、リュカ様は『大丈夫だよプックル。僕は他人(ひと)の女に手を出さない』と言い、ウィンクをしてくれた。
彼女が独り身だったら、キラーパンサーにでも手を出されるのですか?

リンセと共にグランバニア城へ来たものの、彼女はやはり人間に心を開かない。
例外はリュカ様とリュリュ様だけだ。
そしてもう一人……心を開いた訳ではないが、ビアンカ様にも他の人間よりかは懐いてくれた。

と言うより懐かされたのだ。
リンセはビアンカ様に初めてお目にかかった時、警戒心全開で牙を剥き威嚇をしてしまったのだ。
慌てて謝る私を横目に、リュカ様がリンセに顔を近づけ『二度とビアンカに牙を剥くな……』と殺気全開で脅したのだ。

あの殺気に抵抗できる生物は居るまい……
人間に心を開かないまま、彼女はビアンカ様には……その後ろに居るリュカ様には服従する事になった。

そしてリンセは子を産み、私は父親になった。
城内の片隅をお借りできるだけでも幸せなのに、リュカ様は我々の為に人間一家族分の部屋を用意して下さった。

リュカ様は『部屋は余ってるから(笑)』と仰ってくれたが、人間の様に手を使えない我々でも暮らしやすく、わざわざリフォームをして提供してくれたのだ。
常々私の事を“家族”と言っていただいてるが、その事を具現化するお心遣いである。

その所為か、または私が常々子供達に教えてる影響か、我が家はリュカ様に対して心からの敬服を……そして忠誠心を宿しており、まだ幼い子供達ですらリュカ様の前では大人しく、そして言う事をきいている。

だが、それ以外(と言ってもビアンカ様は別)の者達には些か無礼なところがある。
私もフレンドリーに接して良いと言ってたので、怪我でもさせない限り何をしても咎めないつもりでいたのだが、昨日ウルフに……あの小僧に叱られた。

生意気だったので子供達を連れ脅しに奴の部屋まで押し掛けたのだが、私の威嚇には気圧される事なく……むしろ私の子育てにクレームを付けてきやがった! 子育てなぞした事ないクセに……
しかし奴の言い分は妥当であり、例に挙げられたリュカ様の娘達の事を思うと何も
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