暁 〜小説投稿サイト〜
極短編集
短編60新昔話「瓶の声(かめのこえ)」
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
もっと」

 瓶はいまや溢れんばかりの、お金でいっぱいだった。入りきらないほどのお金を瓶に入れている時だった!

パリン、パリパリパリーン!

 なんと!瓶が割れてしまった。すると、今まであった大判小判は、錆びた鉄くずになってしまったではないか。そして割れた瓶は、どんどんと粉々になり、最後には砂になってしまった。その時、男は声を張り上げた!

「うわー!」

 壊れてなくなった瓶を見て、男は狂ったように大声を上げていた。すると男は、その大きくあけた口から、だんだんと「瓶」に変わっていってしまった。やがて、屋敷のどこからか火の手があがると、家はあっと言う間に炎に包まれ、跡形もなく燃えてしまった。
 そして瓶になった男は、火事とともに……

「おーい」

 誰かが瓶の声に気付くまで……



 埋もれてしまったのだった。

おしまい


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ