暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
燃える銀氷
32弾 早朝のチアリーディング

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「ふ、わああああ……はふっ」

「だらしっ、ないわっ、よっ、ミズキ!シャキッとしなっ、さい!」

「んなこと言われてもな……」

 こちとら朝っぱらから学園島の端っこまで連れてこられて寝不足なんですが。夜行性人間の朝の弱さをナメるなよ。

 というわけで俺とアリアは今、学園島の端っこにある目立たない空き地にいる。ここら辺は滅多に人が通らないので、ひっそりと訓練を行うには適している、らしい。

 ちなみにその話を聞いたのは今から約30分ほど前。つまり俺はかれこれ30分の間、何をするわけでもなく待たされている。

 が、それは暇を持て余してるということと同義ではない。何故なら、

「ふっ……はっ……」

 俺の目の前にいるアリアが、それはもう見事なチアリーディングを披露してくれているからだ。

 チアに関してはド素人の俺から見てもアリアのそれは上手い。常人離れした身体能力惜しみなく使い、ちっこ可愛い身体をぴょんぴょんと跳ねさせている。腕や足の動きにもキレがあり、一つ一つの動作がビシッと決まっている。加えてアリアそのものの反則的な可愛さがあわさり、まさに芸術だった。

「やっ!」

 最後の型を披露したところでアリアは動きを止め、こちらに向かって一礼する。もちろん俺はそれに盛大な拍手で応える。

「素晴らしいチアリーディングだった。流石アリアだな」

「なっ、何を言ってるのよ!あ、あんなの別に全然大したことじゃないわ!」

 持ってきたレコーダーを片付けるアリアに賛辞の言葉を投げかけると、がばっと勢いよく振り返って顔を真っ赤にしながら捲くし立ててきた。怒ってるようにも見えるが口元がにやけてるのであれは内心喜んでいる。よし、もっと褒めて遊――――もとい、この溢れ出んばかりの尊敬と感動を伝えることにしようそうしよう。

 〜〜〜♪〜〜〜♪

 略式脳内会議が満場一致で終了すると共に、辺り一帯に音楽が流れる。俺の携帯かと思ったが(白雪の一件で反省したので常時マナーモードにするクセは直した)どうやら俺ではなくアリアのものだったようで、アリアはすぐさま自分の携帯を取り出し届いたメールをチェックする。

 数秒画面に目を落とすと、ふぅと一つ息を吐いて携帯をスカートのポケットに仕舞いながら顔を上げてこちらを見て言う。

「どうやらチアの練習はここまでのようね」

 その言葉と同時、タッタッと軽快な足音が近づいてきて、

「お、おはようございますアリア先輩!……と薬師丸ミズキ、先輩」

 アリアの戦妹(アミカ)、間宮あかりが現れた。
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