暁 〜小説投稿サイト〜
とある緋弾のソードアート・ライブ
第一二話「本物の地獄に住む狂乱者たち」
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 キンジたちの会合が終わったちょうどその頃。学園都市では別の交わりが始まったところだった。

「「げ」」

 学園都市の一角。どこにでもあるコンビニの内の一店。その店には今現在他の店とは決定的な大きな差異があった。

 レベル5の内の2人──第三位の御坂美琴と第四位の麦野沈利がいることだ。

 コンビニの雑誌コーナーにて週間の漫画雑誌を立ち読みしていた美琴が偶然にも入り口に目を向けたタイミングで店の自動ドアを潜った麦野。お互いの顔を目視した瞬間嫌そうな顔したのも仕方のないことだろう。この2人、多少の因縁があることを知るものは少ない。

「?どうしたんですか麦野……あ、超電磁砲」

 突然入り口にて停止した同行者を不思議に思った絹旗(きぬはた)最愛(さいあい)も麦野の目線の先へと目を向け、停止した理由を見つけた。

 「アイテム」という小さな組織と御坂美琴が交戦したのはおよそ3ヶ月前というところだろうか。妹達のことを1人で背負い壊れかけていた美琴と、「絶対能力進化」計画に関連した研究所の1つの警護を依頼されていた「アイテム」。両者とも激突したときとは心境も環境も数ヶ月の間で随分と変わっているが、それでもお互い、顔を合わせたくない相手には違いない。

 だったらどちらかが無視を貫いて店を出ればいいのだが、どちらもこのコンビニに、正確にはコンビニの雑誌コーナーに用があって来店しているのである。目的の物は他の店にも売っているかもしれないが、ここから一番近いコンビニに向かうとなると、本来のこの周辺に来た目的に間に合わなくなる。

 見た目だけなら文句無しの美少女と美女がお互い見つめ合っているとなるとどこぞの漫画描きが見れば迷わずネタにされそうな構図だが、どちらも嫌そうな顔をしているので台無しだった。

 結局、先に口を開いたのは麦野だった。

「──コンニチワ」
「…………コンニチワ」

 片言での挨拶で済ませ、相手を無視する方向に麦野は決める。幸い、お目当の雑誌はすぐ見つかったし、すぐさまこの店を出れば気まずい空気からは解放されるだろう。待ち合わせの時間まではまだあるが、元々ここでなく近くのカフェにて時間を潰す予定だったのだ。何の問題も無い。

 が、麦野がそうであっても、御坂はそうではなかった。

「…………あんたも、あのメール来たの?」
「あ?」

 雑誌が置いてある棚の関係でどうしても御坂の真横に来なくてはならなかった麦野は隣に立った瞬間、突然話しかけられた。普通ならいきなり「メール」の話をされてもわけがわからない。しかし、麦野には1つ心当たりがあった。

「……「あの」メールか」
「その反応を見ると、あんたも……」
「?超顔をしかめて何の話ですか?
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