第一一話「超人を唸らすただの人間」
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レベル5へと向けられたメッセージ。しかしその反応は全員が一貫し「何だこれ」というものであった。
「なンかまた面倒くせェことになってンな……」
とある繁華街のファミレスでそのメールを見た第一位は舌打ちをし、
「…まぁ気にしとくに越したことはないでしょうか」
真っ白な第二位は戸惑いながらも護るべき存在の少女のことを思い浮かべ、
「ってかこのメール。どこ発信よ。統括理事会?……一応調べてみようかしら」
常盤台にいた第三位は念のためにと情報を集めるべくその日は朝から街へと出て、
「ったく。ま、来たら返り討ちにすりゃいいだけか」
いつものファミレス(一方通行がいるところは出入り禁止となっているのでそことは別の場所である)にいた第四位はまったくそのメールを気にも止めず、
「ふーん。それにしてもこのメール、偽装力がプンプン感じられるのよねぇ☆」
第三位と同じ常盤台にいた第五位は瞬時にそのメールが統括理事会の偽物からの物だと察し、
「…………」
どこにいるかも分からない第六位は特に何の反応もせず街へと溶け込み、
「おもしれー。根性がある奴が来ることを期待するぜ」
規格外の第七位は部外者の来訪に心躍らせてすらいた。
仮にも彼らはレベル5。協力すれば一国などケロリとした顔で相手にできる化け物たちにとって、そのメールは「嘘ならそれでよし。もし本当なら迎撃すればいいだけのこと」程度の物だった。
それに加え、皮肉にも「学園都市統括理事会」の名が彼らのメールに対する信用度を大きく下げていた。何せ、第一位はついこの前「統括理事会」の名前を使った偽物に騙され、まんまと1人の人間を殺しかけたばかりだし、そもそもレベル5のほとんどが、統括理事会を始めとする大人たちが、自分たちを実験動物のように見ていることを知っている。親船最中のような善意的な人物もいることは知っているが、だからと言って統括理事会そのものを信用できるわけがない。
第二位と第三位は念には念を入れ事実を調べるつもりのようだが、他のレベル5にはそんな気も起きなかった。彼らにとってのこのメールはその程度のものということである。
話を戻そう。場面は上条当麻、五河士道、桐ヶ谷和人たちの会合と武偵校のメンバーが依頼を受注した翌日へと移る。
11月4日。9時32分。学園都市第二十三学区。学園都市在住の学生にも内部構造が分かっておらず空軍などの兵器製造施設としても有名なその場所で、自身の5倍もありそうな高いカーボンの壁を見上げながら遠山キンジはある場所へと向かっていた。
キンジだけではない。神崎アリア、星枷白雪、峰理子、レキといったバスカービルのメン
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