第九話「アカシックレコード」
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学園都市某所 キャンピングカー内
以前、上条当麻は池服に訪れたことがある。
この文だけを見れば何の変哲も無い文だろう。池袋は日本の中でもそこそこ有名な都市の一つだし、学園都市と池袋は外壁を挟んで近場と言ってもいい距離にある。外出の申請をちきんと提出していれば行くことに不思議はないだろう。
が、この場合の池袋には、前に『異世界の』と付く。
土御門、青髪ピアスの3人で池袋に出掛けたあの日。上条は池袋である2人組の男女に出会ったのだが、その時見せられた『アレ』には驚かされたものだ。脳髄に電撃が走った、とも言ってもいいだろう。
何故、上条がそんなことを思い返しているというと。
「ほい、持ってきたぞい。9巻までとアンコール3巻」
「──こっちは4巻までとプログレッシブ3巻だ。5巻以降は駄目だったよな」
「うん。そこ置いといてー。あ、超電磁砲みたいな漫画版は持ってこなくていいよ。余計話がややこしくなるから」
「了解だ」
「了解した」
紅色の髪色の男と上条を逆お姫様抱っこした少女が持ってきた、本が上条たちの目の前に置かれる。置かれた本は表紙にアニメ調のイラストが描かれた、所謂ライトノベルと呼ばれるものだ。主にティーンエイジャーをターゲットとしたこれらは、上条や士道も読んだことがある。電撃文庫やファンタジア文庫という名前もクラスの友人との会話で耳に入っている。
いや、そんなことはどうでも良くなる衝撃が上条を除くその場の全員の中に走っていた。
皆が驚くのは当たり前だろう。
何せ机に置かれた数々のライトノベル。その表紙には──
「……見ろ、シドー。やっぱりこれは私じゃないか?」
紛れもなく、自分たちと似た服装をした人物が描かれていたのである。
「とある科学の超電磁砲」「ソードアート・オンライン」「デート・ア・ライブ」と題名のそれらには、自分を二次元キャラにデフォルメしたようなイラストがかかれていた。
「えーと……「とある魔術の禁書目録」新約の10巻までとSS2巻を持ってきたぞ」
「りょーかいりょーかい」
追加されたものを見て目を見開いたのはインデックスやオティヌスたちだ。そういえばあの時上条と共に訪れた土御門は他の時間の土御門だったはずである。しかし結局ちゃんとした事情を説明され、文庫本を見たのは上条だけだつたし、驚いて当たり前だろう。
自分たちが載っている小説の表紙をまじまじと穴を開けるように見つめる一同。
十字路での会合を終えた一同が半ば強制的にキャンピングカーに連れ込まれてすでに10分ほど。
「色々困惑していると思うけど、とりあえず簡単な話はキャンピングカーの中で。ほら入っ
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