暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 中学編 22 「賑やかな八神家」
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
まだあるのか?」
「あります、ありますよ。ズバリ、はやてちゃんとディアーチェちゃんの料理はどちらが美味しいですか?」

 なかなかにぶっこんでくる奴だな。今日のシャマルは何だか少しおかしいというか、テンションがハイになっているような……。

「えっと……両方美味しいと思うけど」
「そんな逃げはいりません。男らしくはっきり応えましょう、さあ、さあ!」

 だから顔が近いって……そもそも、お前らのせいで俺まだろくにすき焼き食べられてないんだけど。それなのに応えろってのは酷な話じゃないのかな。
 はやての料理は昔から食べているから美味いのは知っている。ディアーチェのも前から度々食べていたし、今年の3月の終わりからは毎日のように食べている。彼女の料理の腕前は、おそらく地球にいる人間では俺が最も知っているだろう。

「……まあほんの少しの差ではあるけど、しいて言えば」
「しいて言えば?」
「……ディアーチェかな」

 最初の頃ははやてのほうに軍配が上がっていた気がするが、ディアーチェはホームステイが始まってからしばらくの間は味付けについてよく質問してきた。最近ではなくなったが、多分食べている様子を観察して判断しているのだろう。そうでなければ、俺好みの味付けを常に出せるわけがない。

「はやてちゃん聞きましたか! このままではディアーチェちゃんに負けてしまいます、というか負けちゃってます!」
「別に王さまと張り合ってへんし、一緒に暮らして毎日のように作っとるんならショウくん好みの味付けも熟知しとるやろ」
「そんな冷静に分析していたらショウくん取られちゃいますよ!」

 シャマル……もしかして酒でも飲んでるのか。いつものお姉さん的余裕はどこにいったんだ。ドジな一面があるから余裕があると言っていいものか自信もなくなりはするが、あえて今回は気にしない。

「シャマル、そのへんにしておけ。お前のせいでろくに食事が進められん。作ってくださった主はやてに対して失礼だ。ショウ、お前も気にしてばかりいないで食べろ」
「そうさせてもらおう。夕食はここで食うって言ってあるから家に帰っても何もないだろうし」
「彼女ならば言えば作ってくれるんじゃないのか?」
「それはそうだろうが……言いにくいだろ。というか、言うくらいなら自分で作る」
「……ショウさんとディアーチェさんって何だか夫婦みたいですね」
「リイン……それをあいつの前では言うなよ。はやてやシュテルみたいなタイプならまだしも、お前みたいなのに言われたら外に発散できなくて困るだろうから」



[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ