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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【東方Project】編
075 紅翼天翔 その3
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SIDE 升田 真人

「……強くなった、な!」

「わっ?! ……あー…参りました」

早朝、訓練がてらと久しぶりにシホと剣で打ち合っている時。潮時とするにちょうど良さそうなタイミングだったので、終了とばかりに──シホの木剣をカチ上げる。……たまに息を呑まされる様な剣筋も有ったが、さすがに4〜5年鍛えた程度の剣に負けてやるつもりは無い。

(この気配…)

こちらを窺っている気配が1つ。この生きているのに死んでいる≠アんな矛盾している──輝夜と似通った気配を、俺は1人しか知らない。

「シホ、汗だくじゃないか」

「……うん。私汗流してくるね? あ、そうそう。真人は覗きに来ても良いよ──責任≠取ってくれるならね」

妹紅の気配。昨日の続き≠ネのは想像に難くない。……なんだか積もる話になりそうなので、シホにアイコンタクトを送るとシホも妹紅の存在を──鼻がぴくぴく、と動いている事から察知しているらしく、俺の云わんとしている事を悟ってくれたのか、バカな事を(のたま)いつつも滝の方──ではなく、ベースキャンプに向かって行った。空気が読める──良い女≠セと思う。

……尤も、シホの居た日生(ひなせ)村では、シホの生まれ′フにその手の能力を磨かざるを得なかったのだろう。……シホは混じり≠ネので、空気を読み間違えるとどうなるか判ったものじゃなかっただろうし…。

閑話休題。

「居るんだろう?」

「……気付いてたの?」

そう声を掛けると、素直に岩陰から妹紅は出てくる。昨日ぶりの妹紅の顔は、やはりあまり良いとは云えない。

「シン、構え──なくても良いから用意して。一手お願い」

「……? ああ…」

妹紅は先ほどのシホとの打ち合いの時にカチ上げて、そのまま地面に落ちたままだった木剣を拾って、その木剣に螺旋状の──法術での焔を纏わせながら、真面目な@ァち会いを希望してきた。……いきなりの事だったが妹紅の意を汲み、俺も意識を切り替える。さっきシホとやっていた遊び≠フそれや鍛練≠ナななく、戦闘≠フ思考にシフトさせながら、ついでとばかりに武装色≠ナ木剣を強化しておく。

「………」

「………」

……いつもの事だが戦闘モード≠ノシフトチェンジすると、次第にとくんとくん、と心音が聞こえる様になり、視界もクリアになっていく。相対している──今現在で云えば、妹紅の一挙手一投足がよりよく′ゥえる様になる。……悪く言ってしまえば1種の脳内麻薬。

「……シンがなぜ自分(シン)を仇敵としている私を弟子として迎え容れてくれたか判らない。……シンがなぜ敵≠ノなる事が判りきっていたはずの私を育てる様な真似をした理由も判らない。……本当
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